師走に入り、米中階段による貿易戦争の一服、フランスで燃料税引き上げで暴動が起きるなど慌ただしい日々が続いていますが、株式市場と債券市場は人々の喧騒を他所に淡々と将来を予測しています。
本日、12月4日23時時点の10年債利回りは前日比2.7bps低い2.964%、5年債利回りは0.8bps低い2.831%、2年債利回りは0.2bps高い2.835%となっています。
長期ゾーンが下落し、短期ゾーンが上昇した結果、2ー5年利回りスプレッドはわずかながらマイナスに転じています。
本日の朝から今夜にかけてこうした逆イールドの状態が続いています。
この記事の最初のグラフは長期的な長短金利差の推移ですが、一貫して減少していることがわかるかと思います
一般にこのようなタームプレミアムの減少は将来的なリセッション入りをマーケットが予測しているからと言われていますが、その背景として景気の過熱感を抑えるための金利上昇が株価下落をもたらし、株式のパフォーマンスが債券の利回りを下回るためであると言われています。
すでに短期金利である1年もの金利は2.5%に近づきつつあり、長期ゾーンが下落していることから、本日のイールドカーブの変化はブルフラットニングであり、イールドカーブフラット化の終盤にいるように思います。
これまでFRBが来年4回、すなわち1%の利上げを予測していますが、長期ゾーンの下落はこうしたコンセンサスが崩れ、利上げ回数を3回以下にすることを意図しているのではないかと思っています。
すなわち、イギリスのブレグジットやフランスやイタリアなど財政懸念などに加え、アメリカの保護主義的な外交政策が中国やヨーロッパなどの世界経済全体の景気を押し下げるという不安感が長期の金利上昇圧力を弱めているのです。
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パウエル五郎

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