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awsの魅力に気づいてアマゾンに投資
管理人は個人で株式投資をする傍ら、趣味でパソコンに触れる機会も多く、分析などはもっぱらクラウド上にあるDBに保存したデータで計算しています。
そのため、aws(amazon web services)に触れる機会も多く、一昨年くらいから銘柄としてアマゾンに興味を持ちました。
国内のwebサービスでも人気のものだと一サービスで500万、ITの大企業では一社数千万円という大金を毎月awsに使うこともザラだったのを目の当たりにしてこれは相当儲かると思ったのがきっかけです。
しかも、一度サーバーを契約すると、乗り換えコストが異常に高いので継続して使い続けるのでサブスクリプションが期待しやすいことに加え、アクセス数が伸びるほど料金が高くなったり、別の機能でユーザーの課金ポイントを新たに作るなども魅力的でした。
最初は一株700ドルくらいの時に買い始めた後、2018年から2018年の9月にかけて買い増し続けて2018年9月4日に2,000ドルをつけたのを確認して保有していた100株を売りました。
1500ドルを抜けた後から2000ドルを意識し始めて、そこからは急ピッチに上昇して怖かったので、大台を超えたら売ろうと決めてました。
もしかしたらまだ上がるかもしれないけど、100ドル上がるごとに大きな調整が入るのでまた安くなれば買ってみようかなと思ってます。
市場では割高だの、無配当だの散々な言われようで、途中ちょくちょく調整もあったので金額が大きかったこともあって不安な時もありましたが、最後まで自分を信じれて良かったと思います。
アマゾンといえば無配当ですが、最近話題の高配当銘柄の人気とは逆行する部分があります。
またアマゾン株の情報収集をしている時、評論家の意見の中には配当と株価について私とは異なった考えを持たれている方も多かったので、ここでは私の意見を書かせて頂ければと思います。
ちなみに読者の中にMM命題を知っている方は途中を読み飛ばしてかまいません。
最後にMM前提でどちらがお得なのか最後に意見を書きました。そちらも合わせてお読みください。
私が誤っていると思った代表例として、例えば極端な意見ですが株価は増配によってのみ上がる(株価は将来の増配期待によってのみ上がる)という意見をお持ちの方もいらっしゃいました。
これは大きな誤りで、むしろ無配企業だからこそ株価が上がりやすいとも言えるのです。
増配によって株価が上昇することもありますし、そうしたケースが多いのも分かります。
しかし、増配によってのみ株価が上昇するという意見は明らかに誤りです。
巷にはジェレミーシーゲルの赤本を読んで誤って認識されてい方も多いかと思います。
詳しく説明していきますね。
将来ずっと無配当と宣言している銘柄には投資してはダメ?
結果から言えば無配当によって将来の成長が担保されれば株主にも恩恵があるのです。
要は現金を何に使うかの違いで、配当に使わなくても企業価値を高めれば株価が上昇します。
資本市場の原理によって、企業価値が高まれば株価は必然的に上昇するからです。
重要なのは持っている資産をどう使うかという観点で、企業側の視点に立って評価する必要があります。
株式市場は、「企業が自社の企業価値を高めることに専念すれば株主も必然的に儲かる」という関係が成り立つからこそ成立するのです。
具体的には現金を使って配当に回す企業は、株主還元意欲の高い企業として株価が買われ、高い株価を維持、向上させることによって資金調達が容易になります。
この資金調達というキーワードが重要です。
なぜかというと、企業側も手放しに株主還元をしているわけではないからです。
企業にも株主にも両方にメリットがなければこの関係は成立しません。
では無配企業には株主にとっての旨味はないのでしょうか。
ここで注意するのは現時点で無配当というだけではなく、未来永劫将来にわたって無配を宣言している企業です。
多くの方が誤っておられるのは、この将来的に無配当であると宣言している企業であっても株価が上昇しないと思っている点です。
しかしながら、この考え方ではアマゾンへの投資は不可能です。
アマゾンはM&Aなどの投資を繰り返すなど資産回転率を向上させて、利益よりも売上高やキャッシュフローを増やすことによって成長してきました。
アマゾンについては以下の記事で財務分析もしているのでご参考にどうぞ。
そのため、資金は売上最大化のための成長に使いますが、現段階では(おそらく将来的にも)間違っても配当は出しません。
配当金を使って株主還元するより資産回転率を上げて売り上げや利益の成長に寄与した方が、企業価値が高まるので株主に還元できるとジェフベゾスは考えています。
増配しなくても株価は上がります。
高配当企業と無配企業のどちらに投資すべきか論争の終焉
繰り返しますが、無配当企業でも株主還元はいくらでもできます。
(現金ではない株主優待を配るというオチではありません。ただ日本は特に実際そういう人が多いのも事実です笑)
株式にはキャピタルゲインとインカムゲインという2つの収入があります。
キャピタルゲインは株価が上昇することによる売却益ですし、インカムゲインは配当などの報酬です。
実は、配当を出すか出さないかの違いによって、この株主が受け取るインカムゲインとキャピタルゲインの総量に違いはありません。
これはMM命題といって、フランコ・モディリアーニとマートン・ミラーが1958年に提唱した理論です。
現金を使うことで成長機会に投資する代わりに無配として成長資金を確保した後に自社株買いや自己株焼却によって株価をあげることも、配当金を出して株主還元をすることで株価が上がったタイミングで資金調達&成長投資をすることも、合理的な経営判断であれば同じなのです。
MM命題の例外
ただし、MM命題は税金や資本取引に関する諸経費がかからない完全市場において成立するという前提があります。
そのため、実際には事業投資をする際、成長資金を無配当・内部留保を高めることによって実現するよりも、借り入れを行ったほうが支払利息に対する節税効果の分だけ利益成長が大きくなるというメリットがあります。
ただ、だからといって過剰に借入を行ったとしてもその誤差は微々たるものです。
(全資産のうち半分が借入の場合でも1.5%の支払利息に対して21%の税金がかかるとして、0.1%程度の違いです)
一方で、毎期配当を出すことで税金分が取られていくので、株主の取り分としてはその分減っていきます。
資産には時間価値(=金利)がありますので、配当企業は税金分だけ時間の経過とともに指数関数的に株主の取り分が減っていくとも考えることもです。
配当性向と毎期の利益成長率にもよりますが、MM命題の誤差よりも、配当に対してかかる税金による株主持分の流出の方が長い目で見ると大きいと思います。
配当に対して誤った認識を持つ投資家が多い理由
配当政策の違いによって株主が受け取る報酬に違いがないにもかかわらず、減配すると株価が下落すると考えるのはいくつかの理由があります。
1.MM理論を知らない
人は自分が知らないことは認識できません。
知らないことを理解しようとすると大抵の場合は混乱してしまいます。
でも人間の脳は都合良くできていて、知らない事象が起きると、何か別の知っている出来事に因果関係を求めます。
これが錯覚というものです。
錯覚というものは恐ろしく、減配をすると下落するという思い込みがあると、経験則として定着していきます。
他の理由で下落しているにも関わらず、タイミングが重なると減配のせいにされてしまうのです。
錯覚といえば最近話題になっている本があります。
この本の中では錯覚を自分のブランディングに使う方法について書かれています。
昨日もテレビで林修さんがこの本をゴールデンタイムで紹介していたのでご存知の方も多いかもしれません。
2.シグナリング効果
シグナリングはもともと行動経済学の分野で情報優位のものが取引において相手に音信してもらうための行為でもあります。
この場合は自社は優秀で成長する予定だという情報を増配という形で発信することによって、注目を集めて買われるというものです。
増配をする、もしくは無配当から配当を出すという行為はシグナリング効果がありますが、減配するという行為はシグナリングの逆の効果となります。
3.美人投票
言わずと知れたみんなが買うから自分も買うという手法です。
有名ブロガーが買うから自分も買う、ジェレミーシーゲルの本に買いてあるから自分も従うというのも同様の考えですね。
決して誤った考え方ではないと思います。
その他大勢の次の意思決定が予測できるのなら。
株主も慈善事業で投資しているわけではないのでインカムゲインやキャピタルゲインの獲得を目指しています。
そこに配当や自己株式償却がなければ株は売られて株価は下がります。
企業側からすれば資金調達が困難になる事態は避けたいので、配当(増配)を出したり自社株買いをするわけですが、このような資金調達によって成長機会を得るためには資本コストとも呼ばれます。
MM命題では資本政策(配当金や自社株買いなどの総称)によって資本コストは変わらないと言い換えることもできるのです。
ではなぜ、タイトルにあるようにウォーレンバフェットは増配銘柄を嫌うのでしょうか。
バフェットは増配銘柄を嫌う?
以前、Wall Street Journalで投資の世界で神様と崇められているオマハの賢人ウォーレンバフェットは増配銘柄を嫌っているという記事を読みました。
なぜ資本コストが変わらないのに、資本政策に優劣をつけるのでしょうか。
それはMM命題の誤差のセクションでも記載しましたが、増配企業よりも継続的な自社株買いをしている銘柄の方が資産を有効に活用しているからです。
配当を出すという行為は株主から明確にわかりやすい一方でその分、毎期株主の持分が税金によって流出することを意味します。
長期投資を前提としているバフェットはこうした資産の流出を極端に嫌います。
全ての株主が配当再投資によって同じ銘柄を購入すれば同じですが、配当を出すより企業は内部留保として成長資金をためて必要なタイミングで企業買収や設備投資を行うことで資産効率を高めた方が合理的には成長しやすいのです。
私がアマゾンを買い続けた理由はMM命題の誤差についてバフェットの指摘が正しいと感じ、一時的には赤字を出すほどの成長投資のための資産効率の高さに惚れたからです。
また時代はバリュー投資全盛期ですが、アマゾン、特にFANGなどの最先端のIT銘柄のようにグロース銘柄にトレンドがシフトしているのも感じます。
投資は自己責任で。
グッドラック
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パウエル五郎

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