お金の価値とは

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一般的にお金の価値をどうやって定義するかと聞かれた時に大部分の人が金利と答えます。

経済学的にはリスクフリーレートというやつですね。

通常、お金の価値は時間が経つにつれて高くなるはずで、この時間の経過とともに増えるお金の価値のことをタームプレミアム、保有している期間ごとのタームプレミアムの推移をイールドカーブと呼びます。

そのため、イールドカーブはタームプレミアムがプラスであれば右肩上がりになるはずですが、このタームプレミアムがマイナスになる、すなわちイールドカーブが右肩下がりになることもあります。

これはお金の価値がマイナス、つまり持っていることで価値が低くなることになります。

お金を持っているだけで資産が減ってしまうという事態で、なかなかイメージが湧きづらいかもしれませんが、最近も実際に起きています。

前回、こうした逆イールドカーブ現象についてブログで書きました。

師走に入り、米中階段による貿易戦争の一服、フランスで燃料税引き上げで暴動が起きるなど慌ただしい日々が続いていますが、株式市場と債券市...

お金の価値とはお金を保有していることで発生する経済的な効果と言い換えることができるので、持っているだけで資産がマイナスになってしまうのはおかしな話で違和感があります。

この違和感を少し分解して考えてみます。

時代を遡ると太古より人々は狩猟、採集、畜産、農業などの様々な営みによって生活を安定させてきました。

しかし、漁業をしている人は魚ばかり食べているわけにもいかないので、例えば山で生活している人と交渉して、釣った魚を農作物や水と交換することで生活を豊かにすることを覚えました。

しかし、野菜や水は一定の頻度で摂取しなければなりませんが、魚は年中取れるわけではく、保存もできないことに気づき、魚の代わりに何か交換できるものはないか探し始めます。

これは漁師に限らず全ての人が困った事態でしたので、こうして物々交換の代わりとして通貨という概念が生まれるのですが、この通貨に対して求められる基本的な概念が価値の保全という機能になります。

かなり脱線してしまいましたが、ここで最初の話に戻ると、タームプレミアムがマイナス、すなわち保有しているだけで価値が毀損してしまう通貨はそもそも基本要件を満たしていないことになります。

お金が、持つ人によって増えたり減ったりと価値の変化が起きるのは、通貨としての基本機能である価値保存の機能が提供できていない、もしくは通貨の価値計測の基準が違うかのどちらであると考えます。

価値の保存がされないのは中央銀行がYCC(イールドカーブコントロール)を行なっているからだとか、経済が低迷しているからだとか様々な理由があります。

しかし、管理人が思うに価値が毀損してしまうのは実のところお金をうまく活用できていないだけであり、人によってはお金を2倍、3倍に増やすことができる人もいれば、タンス預金に入れて価値を毀損してしまう人もいます。

重要なのは価値の毀損が物価成長に対する相対的な毀損ではなく、絶対値ベースで毀損しているという事実ですが、多種多様な資産運用の方法がある中で資産価値が毀損してしまうのは保有している人のリテラシーに依存してくる部分もあり、通貨としての基本要件が不足していると考えるのは拙速なようです。

こうした通貨としての基本的機能に関する問題は、仮想通貨市場の成長フェーズでも大いに話題になりましたが、結局のところ法定通貨、世界の基軸通貨のシェアを奪うことにはなりませんでした。

実際のところ逆イールドになっていても金利の絶対値がマイナスにはないっていないことや、タームプレミアムの年限間の差額が一部分でマイナスになっていたとしても微々たる金額なので基本要件についてはクリアしていると考えても良さそうです。

そのため、逆イールドの現象から分かるのはお金の価値を金利で定義するのは誤りだということです。

お金というものが人によって異なる価値を作り出す点についても考慮するとお金の経済的価値というのは持っているだけで得られる金利と定義するのには無理があるように思います。

つまり、お金の価値とはお金を寝かせているだけで発生する金利(リスクフリーレート)ではなく、持つ人の金融リテラシーによる部分も大きいのではないかと考えます。

そう考えると、金融リテラシーとは何か、またそうしたお金の価値というものを経済的価値だけに留めていても良いのかという点についても疑問符がつきます(イールドカーブが意味がないと言ってるわけではありません)。
お金はあくまでツールに過ぎず、お金の量によって幸せかどうかを決めることはできませんが、人生を楽にしてくれるものであることには間違いなさそうです。

そのため、お金を持つことによって時間の使い方も変わるでしょうし、幸福度も変わるのかもしれませんが、お金をどう使うのか、またそれによってどんな価値を生み出すのかはそれを使う人によって大きく異なります。

価値計測を行う際にはこうした保有者による部分が大きいことを今後ますます意識しておく必要がありそうです。

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パウエル五郎

名前:パウエル五郎 年齢:30代 経歴:サラリーマン時代は赤い銀行で国内外の株式のアナリストやファンドマネージャーなど一貫して株式のトレーディングに携わる。 現在は日本株の個人投資家として独立。2016年にアマゾンを購入してからひたすら買い増し、現在はVTなど世界分散投資も実践。

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