昨日はアメリカ市場でアップルとBTIがそれぞれ5%、8%下落しました。
BTIは私も保有しているため、今後の推移が気になるところです。
ポイントはずばり2点です。
1点目は配当利回りが異常な高水準となっていること、
2点目が今後の長期的な業界動向です。
BTI高配当の歴史
まず、配当金が高水準である点について今一度考えてみます。
通常の高配当銘柄の利回りは5%前後であるため、回収期間を考えると仮に20年目以降で株価がゼロになったとしてもプラスを維持することができます。
しかし、BTIの場合はこの配当利回りが7.13%と2ポイント以上高くなっており、回収期間は14年です。
配当金が高いほど回収期間は短くなりますが、当然余程のことがない限り株価はゼロになることはなく、それどころかディフェンシブ銘柄であれば下落する確率も低くなります。
そのため、回収期間の考え方としてはどのくらいで2倍になるかという指標になります。
当然、その間に配当金額が下がらないことが前提になります。
BTIは1902年にインペリアルタバコとアメリカンタバコカンパニーというそれぞれイギリスとアメリカの歴史ある企業のJVとして生まれました。
その後約120年間で、リーマンショックなどを除き、ほぼ毎年のように増配しています。
リーマンショック後でも世界的な金融危機の傷が癒えない2009年から増配をするなど、株主配当還元が手厚い企業の代表例です。
今後大きなショックがなければ増配が止まることもなさそうです。
しかし、今回の大きな株価調整の原因を考えると、その楽観視は若干危ういと考えています。
FDAによるたばこ規制の検討開始
今回の下落の原因はアメリカ食品医薬品局FDAの幹部によるメンソール入りタバコのアメリカでの販売を禁止する方針を検討していることが伝わったためです。
FDAは医薬品、食品、化粧品を管理している政府機関なのでここで規制されるとBTIにとっても大きなマーケットを失うことになります。
メンソール入りタバコはハッカやミントなどに含まれるメンソール成分が配合されたたばこで、依存性の高いタバコの一種になります。
ちなみに2017年度におけるBTIの販売本数の55%がメンソールたばこでした。
依存性が高く、主力商品の一角がアメリカという主要マーケットで販売禁止になると大きな損失になります。
管理人としてはこうした重大な規制をそう容易く許すとは思えませんし、メンソールたばこを販売しているのはBTIだけではありませんので、たばこ業界全体からの反発は必至です。
私の保有銘柄でもあるPMのほか、MO(アルトリア)などもBTIほどではありませんが、一定の比率でメンソールたばこを販売しています。
これらの企業は人体に害のあるたばこをアメリカ国内で販売し続けてきた『政治力』があります。
これまでの政府とのパイプをフルに活用してFDAに対抗するものと思います。
有名な相場格言として、国策に売りなしというものがあります。
これは国策で支援されている銘柄で運用すれば負けないというものです。
逆に今回のように国の機関で規制が入った場合は売りのサインになります。
こうしたサインを見極める上で今後、FDAの規制が入るかどうかが一つの焦点となりますが、管理人個人の予想としては実際に規制が入ることはないと考えます。
たばこが規制されると政府にとっては税収の落ち込みとなる可能性があります。
また規制をすると中間層以上の禁煙率が低下する一方、低所得層の禁煙率は低下しないため、格差が拡大することも懸念されています。
たばこ業界は過去100年以上に渡って、いわば国策として成り立ってきた業界です。
FDAのたばこ規制局もこうした業界によって成立してきた側面もあり、大幅な規制に踏み込みづらいという立場もあるのです。
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パウエル五郎

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