高配当ディフェンシブ投資が最も優れている理由

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資産運用を考える際、最初にやるべきことはスタイルと呼ばれる運用方針を決めることです。

例えば個別株に特化して数銘柄に集中投資したり、PBRPERなどの指標を見て割安銘柄を選ぶなどです。

ただし、こうしたスタイルは時代とともに変わる可能性があり、例えばPBRの高いグロース銘柄とPBRの低いバリュー銘柄に投資する手法はどちらが優位か年によって異なります。

ファンドによってはこれらのスタイルを途中で変えるものもありますが、アクティブ投資が市場平均のインデックスを長期的に上回ることができないのはプロでもスタイルの変更タイミングを事前に予想することができないことを物語っています。

管理人の場合、グロース投資とバリュー投資の判断を事前に切り替えることはハナから諦め、一貫して高配当ディフェンシブ銘柄に投資する方針としています。

そうすることで、投資活動におけるKPIをキャピタルゲインではなく、インカムゲインと割り切りることができ、いくらで買うか、いくらで売るかという指標を気にする必要がなくなります。

ところで配当という側面ではアマゾンやアップル、ネットフリックスなどのように無配当や低配当のグロース銘柄との対比で語られることが多く、しばしば宗教論争の如く対立しています。

高配当銘柄よりも無配当銘柄を選ぶ投資家の考え方としては、当期の利益を利益準備金として自己資本に入れるほうが、配当に回すよりも配当課税がかからないため、株主と会社全体の利益で考えると課税分だけ得だからです。

利益準備金(資本準備金)として財務基盤の強化に充てることで経営の安全性も高まるし、将来株価が自己株償却を実施して株価の底上げにつなげることも可能なため株主としては、一見すると無配当銘柄の方が効率が高いように思えます。

しかしながら、財務基盤が不安定な新興銘柄ならいざ知らず、キャッシュフローも財務基盤も安定しているディフェンシブ銘柄では自己資本に厚みを持たせることほぼ意味がなく、最低限の設備投資費だけがあればいいので利益を準備金に充てる意味は薄いと言えます。

ここら辺をもう少し深掘りしていきます。

理論的には自己株償却も配当金の支払いも変わりません。

前者が需給逼迫(正確には浮動株の減少)により株価を上げるのに対して、後者の場合は投資家から見たときのキャッシュフローが増えるため株式の資産価値、ひいては需要が高まるという点で大差ないように思います。

配当銘柄にも業績によって減配があることも踏まえると、不定期になりがちな自己株償却と何が違うのでしょうか。

行動経済学おけるプロスペクト理論によれば、浮動株減少という一株あたりの価値増加よりも、配当金という実際のキャッシュフローが得られる方を選びやすいという人の特性があります。

また、配当は年数回と会社ごとに決まっているのに対して、自己株償却は配当よりも不定期となりがちで業績次第で決算期によって行われないことも多々あります。

特に日本ではその傾向が強いため、その点で日本株よりもアメリカ株の方が投資の費用対効果として高いと判断できます。

ちなみに自己株償却する企業の割合は日本よりもアメリカの方が高いのですが、配当銘柄に対しても日本よりもアメリカの方が増配率が高かったり、配当性向が高かったりということもあります。

これは会社の業績を認識している経営陣と彼らから報告を受けて投資判断をする株主の間に情報格差が存在しているため、こうした格差による価格差をエージェンシーコストと呼びます。

以上、簡単にまとめてしまうと、配当金に対する課税があったとしても、自己株償却による株主還元策よりも生のキャッシュが配られる配当銘柄の方が多くの人にとって好まれるため、グロース銘柄よりもキャッシュフローが安定していて配当金の高い銘柄に投資すべきなのです。

これは一見すると美人投票的な考え方ですが、あくまでその他の株主還元策に対する優位性であって、業績が安定しているディフェンシブ銘柄であればボラティリティも低い傾向にあり、安定的に買われることを考えると高配当ディフェンシブ銘柄に投資すべきであることは自明の理となります。

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パウエル五郎

名前:パウエル五郎 年齢:30代 経歴:金融機関で国内外の株式のアナリストやファンドマネージャーなど一貫して株式のトレーディングに携わる。 2016年にアマゾンを購入してからひたすら買い増し、現在はVTなど世界分散投資も実践。

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