健全な懐疑主義とは
投資において最も難しく、かつとても重要な作業は自分と向き合うという事です。
実際にどの銘柄を買うか、自分のポートフォリオの中からどの銘柄を売るのかを決める際、またどんな価格帯で、いつ売買を実施するのか。
もしくはどこまで分析し、情報を深く理解するのか、また自分が調べた売買の材料はマーケットにどのくらい浸透しているのか。
投資を行うということはこれらさまざまな疑問に対して答えを見つけ、売買という具体的にアクションを起こすことに他なりません。
投資行動を都度判断をする方も、毎月末、月初、月央など特定の日時に決めている方も、そのどちらの場合においてもこうした懐疑主義的な振り返りは必要です。
今の相場は全体として上昇基調にあるのか、下落基調なのか、そうした傾向に対して自分の銘柄は上がるのか、下がるのか、もしくは今が安値なのか。
こうした疑問をナンセンスなものとして解釈し、常に均等ポートフォリオになるように、予め決まった日に決まった投資をするような考えもありだと思います。
相場が右肩上がりに上がる中でお財布事情によって定期的に買い付けをすれば経済合理的と考えることもできるからです。
しかし、右肩上がりに上がるというなら、最初に無担保で借り入れを行う方が効率的です。
無借金がポリシーという方は物価の上昇を考慮したら借り入れを行なって買った方が投資リターンは最大化できます。
こうした疑問に対して常に自問自答しながら、考えてアクションを起こすということが重要なのではないでしょうか。
人生は壮大な暇つぶし
なぜこうしたことを記事にしようと思ったかというと、私は人生を壮大な暇つぶしだと思っているからです。
今の人間は生物が本来持っている生存本能よりも、価値観が多様化してそれぞれの価値観に対して貪欲になっている。
多くの人間は原始以前のように、食べるものに困っているわけでも、寒さや暑さなど、生存を脅かすさまざまな環境的要因を排除することができる
壮大な暇つぶしだと思っている根底には、今や日本では食べるのに困る人は多くなく、そのほかの差し迫った危機感を持っている人も多くはないという現実があるから。
そうした暇つぶしの中で、人間の唯一の楽しみは思考実験であり、雇われる側か雇う側のどちらに回るのか、どこで働くのか、どうやって食べるのか、どこに住むのか、どこで寝るのかなど自由に選べる環境だからこそ、考えることが唯一の楽しみなのです。
人間は考えることの大半は実現できるからこそ、それをどうやって実現するのかだけがその人の裁量で決めることになります。
ただし、その自由度や裁量を伴う思考実験において、一つの価値尺度があります。
それがお金や時間です。
少しでも早く、少しでも深く、少しでも多くの思考ができる人にだけ、与えられる時間とお金があるのです。
投資行動においても同じで、その銘柄をどこまで深く考え、どれだけ多くのパターンを想定し、どんなアクションに落とし込むのか。
その深さや速さ、正確性によって、得られるお金や時間は変わってきます。
これは一種のゲームと捉えることもできます。
テレビゲームのように小さな箱の中で完結するものではなく、世界中50億人の生身の人間がそれぞれが異なる戦略を持って、仲間を募ったり、裏切ったり、ブラフを仕掛けたりして複雑に絡み合うリアルゲームだからこそ面白いのです。
だからこそ人生は楽しいし、仕事や投資も面白いのです。
こうしたゲームにおいて常に必要とされるのは、タイトルの通り、自分が正しいという信念を常に自問自答し続ける謙虚さと忍耐強さなのではないかと思うわけです。
このことに気づいたのは、知人とビジネスにおける顧客開発について議論していた際に、以下の本を紹介されたので、
ちなみに「健全な懐疑主義を保つ」という表題は以下の本の一節です。
この中で、顧客開発において健全な懐疑主義を保つことの重要性が書かれています。
マーケティングや事業推進などで顧客開発を行っている方は必読本です。
Lean 顧客開発
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パウエル五郎

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