ADRを活用した世界の個別株への投資

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世界の個別株を投資対象に

突然ですが、日本の実質GDP成長率を皆さんはご存じでしょうか。

今や中国に抜かれGDP世界3位に転落した日本ですが、2014年の実質GDP成長率は-1.0%でした。

そして2015年は0.7%の成長率という結果でした。

残念ながら近年の日本の実質GDP成長率は決して高い水準とは言えない数字となっています。

それに比べて新興国の経済成長率には注目すべきものがあります。

例えば中国では2014年の実質GDP成長率は7.3%、2015年は6.9%、インドでは2015年の実質GDP成長率7.24%、2015年は7.34%と一時期に比べ低くなったとはいえ、日本と比べるとまだまだ実質GDP成長率が高い水準であることが分かります。

このようにGDPの面からみてもわかるように、日本への投資の魅力は以前より薄れてきていると思われます。

それに対して海外には日本以上の実質GDP成長率を維持している国が多くあります。

より良い投資成果を得るために日本株だけでなく、実質GDP成長率が高い国の株式も投資対象に加えてみてはいかがでしょうか。

しかし、実際に海外の株式を購入するためにはたくさんの問題があります。

近年日本でも投資する方が多い中国株などは、取り扱いを行っている日本の証券会社も数多く存在します。

その一方、新興国の中にはまだまだ投資環境が整っていない国も多く、日本の証券会社では取り扱っていない国も数多くあります。

そこで今回紹介したいのがADRを買うようして様々な国の株式に投資する方法です。

ADRとは

そもそもADRとはAmerican Depositary Receiptの略称で日本語では米国預託証券と言います。

ADRを簡単に説明すると、アメリカの株式市場で様々な国の個別株(実際には預託証券)に簡単に投資できる投資商品です。

ADRが発行されるまでの仕組みを詳しく説明すると以下のとおりになります。

①ADRを発行する為、対象となる企業の株を購入

②現地の銀行に株式を預ける

③預かり証を発行する

④預かり証をアメリカの株式市場に上場させる

⑤預かり証(米国預託証券・ADR)が売買可能となる。

このようにして、現地の株式を銀行に預け、発行した預かり証がアメリカの株式市場に上場したものがADRなのです。

そのため厳密には株式ではなく、預託証券となりますが、預託証券には裏付けとして現地の株式の権利すべてがあるため、実質的には株式を保有していることと同じような権利を享受することが出来ると言えます。

ではアメリカの株式市場に上場しているADRにはどのようなものがあるのでしょうか。

一例として少しご紹介します。

【中国】バイドゥ、中国海洋石油

【韓国】LGディスプレイ、ポスコ

【インド】タタ・モータース

【フィンランド】ノキア

【ルクセンブルク】アルセロール・ミタル

【オランダ】ユニリーバ

【スイス】クレディ・スイスグループ

【イギリス】BP

いずれも世界の大企業ばかりです。

もちろん上記以外にも数多くのADRが存在します。

これらの企業の株式に投資するためには、通常はそれぞれの国の株式市場を通してしか投資できません。

しかしADRを活用すれば、アメリカの株式市場で様々な国の株式に実質的に投資することが可能なのです。

ちなみに日本からもトヨタやNTT、ソニー、パナソニック、野村ホールディングス等数多くの企業がADRとしてアメリカの株式市場に上場しています。

ADRのメリット・デメリット

ADRのメリットとしては以下の点が挙げられます。

・通常は購入することが難しい国の個別株に投資可能

・新興企業などでなく、各国を代表する企業が多いので、投資対象として安心できる

・アメリカの株式市場のルールによって売買されるので、透明性がある

逆にデメリットとしては以下の点が挙げられます。

・日本国内の株と違い、為替リスクが存在する

・手数料が日本株の売買に比べて高くなる傾向がある

・ADRが人気の為、実際の株式よりも割高な価格の場合がある

・企業情報なども日本株に比べて少ない

メリットとしては、やはり通常では投資することが難しい国の株式を実質的に保有できるのがありがたいと思います。

さらにアメリカの株式市場に上場しているということもあって、新興国に直接投資するより厳しい基準で情報開示等のルールが定められているので安心感があります。

しかしデメリットの部分では為替の影響を受けるので注意が必要です。

ADRの価格が値上がりしても為替で損失が出るということもあり得ます。

もちろんその逆で為替によって利益が出ることもありますが、いずれにしても為替には注意して頂きたいです。

ADRへの投資におすすめの証券会社

それでは実際にADRに投資する場合にはどのような事が必要なのでしょうか。

必要なことはとても簡単です。

日本国内でADRに対応している証券会社に口座を開設すればADRの取引が可能になります。

今回はADRに対応している証券会社を少し紹介します。

【楽天証券】ADR取扱い銘柄数100以上

【SBI証券】ADR取扱い銘柄数100以上

【マネックス証券】ADR取扱い銘柄数60

まとめ

ADRを活用することで通常は投資することが難しい国の個別株へ簡単に投資することが可能になります。

現在日本株のみで資産運用している方も、ぜひ一度ADRを活用した投資に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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パウエル五郎

名前:パウエル五郎 年齢:30代 経歴:サラリーマン時代は赤い銀行で国内外の株式のアナリストやファンドマネージャーなど一貫して株式のトレーディングに携わる。 現在は日本株の個人投資家として独立。2016年にアマゾンを購入してからひたすら買い増し、現在はVTなど世界分散投資も実践。