投資判断の基準
皆さんは株式投資をする際に何を基準に投資判断をしていますか。
一般的に株式投資をする際に株価を分析する方法としてファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2種類の分析方法があります。
ファンダメンタルズ分析とは、企業の財務諸表を基に株価が割高か割安かを判断します。
PERやPBR、ROE等はこのファンダメンタルズ分析に含まれます。
しかし、株価は常にその企業の財務や収益力だけで説明できるものではなく、取引所で売買されている以上、マーケット参加者の需給によっても値上がりしたり値下がりしたりします。
テクニカル分析はこうした需給の変化を捉えるため、ロウソク足などのチャートや一目均衡表、移動平均線、ボリンジャーバンド等のテクニカル指標を用いて今後の株価を予測する分析方法です。
株式投資を行う際は、ぜひともこれらのテクニックを活用して、より良い投資判断をしていきたいところです。
しかし中には有名な指標にもかかわらず、知らない方も多いテクニカル指標もあります。
今回はその中の1つであるボリンジャーバンドについて解説します。
ボリンジャーバンドとは
株式投資でテクニカル分析を行ったことがある方なら1度は聞いたことがあると思われるボリンジャーバンドですが、このテクニカル指標は1980年代にアメリカのジョン・ボリンジャーという方によって考案されました。
1980年代ということで比較的新しい指標ですが、今や多くの投資家が活用している株式投資において有名なテクニカル指標となっています。
そんなボリンジャーバンドですが、名前の通りボリンジャーさんが考えたバンド(帯)がこの指標の核となる部分です。
ボリンジャーバンドを見てみると、中心部分に株価移動平均線があります。
そしてその株価移動平均線の上下にそれぞれ線が描画され、バンドを形成しています。
この上下にある線のことをボリンジャーバンドと言います。
通常ボリンジャーバンドは上から+3σ(シグマ)、+2σ、+1σ、移動平均線、-1σ、-2σ、-3σと線が並んでいます。
そして、±1σ、±2σ、±3σのそれぞれでバンドを形成しています。
ボリンジャーバンドは統計学の標準偏差の考え方を活用していますが、標準偏差というと難しく感じられるかもしれません。
しかし、標準偏差の考え方は意外と身近な所で活用されています。
皆さんも学生の時にお世話になった偏差値がそれに当たります。
ボリンジャーバンドも偏差値で解説することができます。
+3σは偏差値で表すと偏差値80の線となります。
偏差値80の人なんて日本で同年代で数えられるくらいしかいないでしょう。
それと同じで+3σ以上になる確率は非常に低いと考えられ、株価がこうしたバンドの外に行った場合、かなりレアケースであるという認識の一方、比較的早い時期にバンドの内側に戻るという考え方もできます。
同様に+2σが偏差値70、+1σが偏差値60、-1σが偏差値40、-2σが偏差値30、-3σが偏差値20を表します。
+1σと-1σが形成するバンドは偏差値で説明すると、偏差値60から40までが含まれたバンドとなります。
標準偏差はあるデータが平均からどれくらいのばらつきがあるかということを表しています。
実際に偏差値60から40までの±1σ中には全体の約68.3%が含まれています。
言い換えると正規分布で考えた場合、株価は±1σのバンドで68.3%の確率で推移すると言えます。
同じく偏差値で表すと偏差値70から30である±2σのバンドは約95.4%、偏差値80から20である±3σのバンドは約99.7%の確率でそれぞれのバンド内で株価が推移すると言えます。(あくまで正規分布の考え方の場合)
ボリンジャーバンドの活用方法
ボリンジャーバンドの活用方法として一般的に言われているのが、+2σを株価が上抜けした場合は売り、-2σを下抜けした場合は買いと言われています。
その理由としては先程の説明の通り、正規分布の考え方だと±2σのバンド内で株価が推移する確率は約95.4%でした。
その為、±2σのバンドを上抜け又は下抜けした場合、買われすぎ又は売られ過ぎとなり、株価が適正水準に戻るかもしれないと判断されるからです。
又、バンドが狭まっていたものが大きく広がりを見せ始めた場合は、ボックス相場からトレンドに移るポイントとも言われています。
このように相場の転換点や、買われ過ぎ、売られ過ぎをチェックできるボリンジャーバンドですが、注意が必要なこともあります。
リーマンショックやサブプライムローン問題などの何年かに一度あるような金融危機の場合などは、ボリンジャーバンドが機能しない場合があります。
又、企業の個別業績によって、株価が大幅に上昇又は下落する際もボリンジャーバンドが機能しない場合があるので注意が必要です。
おすすめ証券会社
ボリンジャーバンドを活用するのにおすすめの証券会社を少し紹介します。
基本的にネット証券のほとんどでテクニカル指標を確認することができます。
しかしその中で特におすすめなのが楽天証券です。
楽天証券は以前より取引ツールである「マーケットスピード」に定評があり、多くの投資家の方々から愛用されています。
ボリンジャーバンド以外にも多くのテクニカル指標が利用可能です。口座未開設の方はぜひ開設してみてください。
まとめ
今回はボリンジャーバンドについて説明しましたが、ボリンジャーバンド以外にも様々なテクニカル指標が存在しています。
ぜひ多くの指標を活用できるようになり、株式投資のテクニックを身に付けていただければと思います。
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パウエル五郎

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