最近、私がお手伝いしていたスタートアップ企業が上場しました。
フルコミットしていたわけではないので、わずかではありますが上場により(未上場時に受け取っていた)ストックオプションを株式に転換することができました。
↓の記事でも書きましたが、そもそも私はペーパーアセットとして上場株式投資以外に、事業投資を一つの軸に据えています。
私が考える事業投資やなぜ事業投資を考える必要があるのか、簡単に説明してみたいと思います。
事業投資として未上場企業への貢献をすること
私が新卒で入社したメガバンクには東大や京大などトップの大学を出ている人が多くいましたが、地頭の良さの使い方を誤っていると感じてしまいます。
高い偏差値で大企業に入ることは一つの選択肢となりますが、世界で活躍するエリートからするとそこで得られるものは僅かな収入にすぎません。
地頭の良さを偏差値という切り口で切り取った出身大学は一つのバロメータですが、それだけは多くを得ることができません。
偏差値として表現される知能指数は学校教育の中でもある程度伸ばすことはできるし、卒業後の収入に正に相関することが知られています。
つきつめるところ、統計的には偏差値を高めれば収入を増やすことができると考えることもでき、これを言い換えれば収入は偏差値によってコントロール可能だということです。
ここで重要なのは「自らの」偏差値という表現を使っていないことです。
逆にいうと偏差値を高めるためには自らの知能指数を増やす必要はないのです。
地頭の良さ、すなわち知能はIQではなくEQという切り口もあり、そこで重要視されているのは他者を共感的に理解することとされています。
他者を理解し、知能指数の高い人に投資をすることで自らの収入を増やすことができるというのが事業投資をしている理由です。
スタートアップでSOをもらったのも事業投資に対する報酬として設計した経緯からです。
また現在、私自身が創業した会社では従業員に高い給料を払うことはできませんが、地頭の良い人と一緒に経営することで売上を伸ばすことができています。
これらは自らの知能指数を活用しなくても、他者への共感力を高めて投資(してもらったり)した結果であり、私がIQよりもEQを重視しているのはこのためです。
組織が脆弱な状況では高い給料を払えない一方で関係者一人あたりの負荷が高まってしまいますが、それでもスタートアップで優秀な人材を安いコストで確保できているのは、事業やビジョンに対して従業員の共感をベースにうまくアトラクトできているためです。
私がIQよりもEQを重視している理由の一つは、日本の教育システムが偏差値偏重主義に陥っており、(地頭が良くてすんなりトップ大学に入った人を除いて)偏差値を高めるために勉学の時間を費やすことに時間を割きすぎているからです。
感性が豊かな青春時代に偏差値伸長に時間をかけすぎると学歴やプライドに邪魔されて、他者への共感力を失い、EQが低くなる傾向にあり、最終的には他者を理解しうまく動かせる人間に使われてしまいます。
一番の問題は、多少大きな日本企業に入ってしまうと同様の人種が集まるため自覚症状が薄れ、資本家と労働者の関係性に鈍感になっていくことです。
ペーパーアセットでも資本家の側に回ることができますが、冒頭に挙げた記事でも書いたようペーパーアセットは元手が少なければ資産を増やすスピードを上げることができません。
このスピードを上げるためには、事業を起こす側に回るか、(起業という高いコストを払わなくても)経営に近い立場に回る必要があります。
後者は出資するだけではなく何らかの形で事業成長に貢献することでインセンティブをもらうことができるようになります。
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パウエル五郎

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