新居購入を検討しているパパとママは必見!住宅ローン特例制度のためにローンを多くすべきか

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先日、以下のようなご質問をいただきました。

いつもパウエル五郎様のブログを楽しく読ませていただいております。

資産運用に関するブログの内容が興味深いことに加え、パウエル五郎様の年齢が30代とのことで世代も近いため、ご相談させてください。

私は都内在住の34歳男性で3年前に結婚し、最近昨年子供ができたこともあって家が手狭になったため新居を購入する予定です。

都内の会社でSIerのサラリーマンで、月々の給料は手取り50万円です。

現在の保有資産は2500万円(義両親からの新居購入の援助も含む)。

28歳から国内外の株式・債券に投資を始めており、上記資産のうち現在は500万円ほどの金融資産を保有しております。

子育ての環境や勤務地である都心へのアクセスなどを考慮して都内、郊外など様々な場所を検討した結果、東京に隣接する県に場所に決めました。

ハウスメーカーや不動産屋との値段交渉の結果、最終的な金額は土地、建物込みで総額予算が4800万円ほどになりました。

そこでご相談なのですが、

①個人保有資産の持ち出しとローンの内訳はどのようにすべきでしょうか。またその場合金融資産は今後どのように運用すべきでしょうか。

②結果的にローンの借入は不可避だと思っていますが、変動・固定金利の選択、固定なら何年固定が良いかなど教えていただけないでしょうか。

住宅ローンに対する考え方

ご質問ありがとうございます。

いつもブログを読んでいただいているとのことで、本当にありがとうございます。

私も投資に関して興味深い内容を調査し、思考の整理してブログに発信することでみなさんのお役に立てていればこれ以上ない喜びです。

さて、ご質問の内容ですが、私も同じく妻子持ちなので資産運用と新居購入のお悩みとのことで将来の不安については大変共感しております。

奥様のご職業について書かれておりませんが、お子様が生まれたばかりとのことですので今は家にいらっしゃっる状態とさせて頂き、また保守的に見積もるため今後も専業主婦を続ける方針と仮定させていただきます。

投資ブログをやっているものの、家計的には2馬力であるのか1馬力であるかでは大きな違いとなります(笑)

まず、大前提として今後の社会情勢を踏まえると、サラリーマンといえど会社が社員を守ってくれるという安易な考えは持つべきではありません。

サラリーマンのメリットはローンを借りられる、安定的な収入を確保することができるという点がありますし、今の日本は世界でも稀に見る最低水準の低金利時代になっていることもあり、これを利用しない手はありません。

したがって、ご質問者様のローンを借りるという選択肢は誤っていないと考えます。

しかし、老後に6000万円(昔は1億円が必要と言われていたが節約志向が強くなった)が必要と言われている時代において、それだけのお金をサラリーマンの給料と退職金で貯めることは難しいです。

人材が流動的になっていることに加え、技術革新によっては企業も存続そのものが従来より不安定になっていることから、定退職金制度や終身雇用、年功序列などは望むことができません。

自営業の方の場合、国民年金は払わないという選択も個人の裁量で判断できますが、サラリーマンの場合、将来もらえるかどうかすらわからない厚生年金の支払いが給料から自動的に差し引かれてしまいます。

現状の年金制度は現役世代の支払いは全て高齢者の給付金の支払いの半分の額(もう半分は税金)に使われる世代間扶養の原則があるため、個人レベルで見ると年金をつみたてているとは必ずしも言えません。

こうした状況では会社にも頼れない、国や年金制度にも頼れないため、現在の金融資産は売却せずに、継続的に資産運用を続けていくべきです。

資産運用をするのは老後の資産のためだけではなく、お子様の学費や生活費を守るためでもあります。

簡単な計算をしてみます。

現状では50万円の給与収入があるとのことですので、ローンを30年で返すとして毎月16万円前後の支払いになります。

(様々な仮定を単純にして、金利の支払いは1%、支払い額を考慮して毎年4%が減少していく等比級数の和として計算すると金利支払総額は5000*(1-(4800/5000)^30)/(1-(4800/5000))*.01=880万円として計算しました)

毎月50万円の手取り収入から16万円を差し引いた34万円のうち、食費、子育てや教育に関する費用、電気ガスなどの光熱費、通信費用、交際費、旅行費用や移動費などを捻出しなければなりません。

これらの必要経費はお子様が全て公立学校に通ったとして、また最低でも家族3人で適度に外食などもすると、どんなに節約したとしても毎月2030万円はかかると思います。

細かいところでは所得税や住民税などは住宅ローン減税やふるさと納税を上手に活用することで軽減できますが、固定資産税などもばかになりませんし、10年単位で巡ってくる家のメンテナンスで数百万円単位で出費が発生することも考慮しておかねばなりません。

また大きな病気になったり、お子様がもう一人生まれたらなど考えるときりがありません。

仮に全てこうしたコストを抑えながら順調に生活できたとしても、生活コストを想定上限の30万円と仮定すると結果的に資産形成に使える金額は4万円になります。

資産形成に使える余剰資金を4万円を全て貯蓄に回したとして、ご質問者様の34歳から定年の65歳までの31年間で1500万円弱となる計算となります。

ざっくり計算でも現在の保有資産2500万円とあわせても老後には1500万円まで2000万円以上不足する計算になります。

効率学校に入れる前提で話しましたが、お子様を私立高校や大学に通わせる場合は追加で2000万円ほどかかるかもしれません。

こうした不足する分については、給料の伸びに期待するという方もいるかもしれませんが、他力本願では元も子もないので、自力で資産形成をするための選択肢として運用は必須となります。

従いまして、金融資産は減らしてはならず、ましてや売るべきではありません。

新居購入にあたり、毎月投資している、つみたて額の調整は必要だと思いますし、投資対象は少しリスクリターン特性を見直すべきかもしれませんが、投資をやめるのは得策ではないどころか危ない橋を渡ることにすらなります。

仮にこのブログでもご紹介している管理人の運用方法では毎月35%前後の運用利回りが期待できます。

当然、年によって相場変動や景気サイクルによって上がり下がりがきついこともありますが、基本的に株価の変動を受けない形で米株の配当リターンを狙う戦略となります。

仮に現時点の金融資産500万円を毎年3%の運用利回りで今後31年続けると1,250万円(500*1.03^31)ほどになります。

現時点では、当初の現金2000万円に加え、余剰資金の毎月4万円の貯蓄で1500万円と現時点の金融資産の500万の運用で1250万円で4750万円となりました。

これでも老後の必要資産には程遠くなってしまうので、不足分については月々の出費を抑えるしかありません。

仮に月に5万円出費を抑えるだけで単純計算で31年間で1900万円の余剰資金が発生します。

毎年60万円の余剰資金が増える状態で、これを3%で運用すると3100万円ほどになります(貯蓄だけにする場合よりも1,300万円ほど資産が増えることになります)。

こうして先ほどの最終資産4750万円から3100万円を足すことで7,850万円と最低金額の6000万円を大幅に上回ることができました。

毎月5万円の出費を浮かすのは並大抵のことではないかもしれませんが、意識するだけで老後の生活はかなりゆとりのあるものになります。

また以上のシミュレーションは手持ちの現金2000万円を手元に置いたまま、毎月の給料から生活資金とローンの返済に充当するパターンですが、当然最初のローンの支払いに現金を充当して残債を減らすという考え方も可能です。

仮に2000万円を購入資金を当てたとしても、ローン残高は3000万円となるため金利の支払いは400万円とフルローンの場合よりも480万円と55%もやすくなることになります(3000*(1-(2800/3000)^30)/(1-(2800/3000))*.01)。

住宅ローン特例制度による控除金額が安くなってしまいますから、念のためこの控除金額についても計算しておきましょう。

特例制度では(ローンを借り入れた時点の翌年から)毎年ローン残高の1%が税金から差し引かれる(税額控除)というものですので仮に5000万円の場合50万円が控除対象となります。

ご質問者様のように年収600万円前後の方の所得税と住民税の本来の支払い金額は年間25万円程度ですので、50万円全額が控除されるわけではありません。

仮に3000万円のローン残高になると控除金額は初年度30万円、翌年28万円と2万円ずつ下がっていく形となりますが、ちょうど良いという計算になりますね。

住宅ローン控除があるからといってローン残高を増やそうと手持ち資金を出さないと逆に金利支払額が多くなるというデメリットがあることには注意が必要になります。

ご質問に対する回答

以上のことからご質問にお答えすると

①個人保有資産の持ち出しとローンの内訳はどのようにすべきでしょうか。またその場合金融資産は今後どのように運用すべきでしょうか。

結論からすると保有資産の持ち出しはするべきです。

検討中の家の購入資金額からすると住宅ローン特例制度による税額控除メリット以上に金利の支払いのデメリットが多いためです。

ご質問者様の場合、住宅購入資金が多額のためローン残高を減らすほど金利の支払いは少なくなりますが、生活資金をどこまで残しておくかはリスク許容度に応じて考えてみてください。

現時点のお子様の教育費や生活費のために、2000万円を手元に残しておきたいでしょうが、おむつ代や離乳食、乳母車、チャイルドシート、子供服などの必要経費を除いた金額を住宅資金購入に当てるべきです。

また低金利時代なので1%の金利支払いよりも運用利回りで5%回せるに越したことはないでしょうが、以下の2点でオススメしません。

・高値づかみリスクを軽減するために2000万円全額がすぐに運用できない。毎月給料収入があるので残債支払いを軽減してそこからの捻出を図った方がリスクが低い

・突然の景気後退や大恐慌に陥ることを考慮すると運用利回り5%は絶対ではないが、購入資金充当では確実に金利1%分を浮かすことができる

以上の通り、2000万円を全額運用に回すというのはリスクを取りすぎなので住宅ローンの支払いに当てることで金利支払いを55%以上も安くできるので奥様とお話されてみることをおすすめします。

ローンの返済に充てた分、支払い金額も減るので浮いた支出から運用資金を増やして、なるべくリスクを取らない米株ディフェンシブ銘柄で運用すれば高い利回りが期待できます。

②結果的にローンの借入は不可避だと思っていますが、変動・固定金利の選択、固定なら何年固定が良いかなど教えていただけないでしょうか。

そうですね、5000万円の購入金額なのでローン借入は不可避です。

金利については、今であれば変動にすることで低金利で借りれるメリットと、今後金利が上がるデメリットをどこまで考えるかに依存します。

例えば、住信SBIネット銀行などでは変動金利で現在0.41%程度で借りれますのでこれ以上の低金利はないと思いますが、借入は固定がおすすめだと思っています。

確かに人口減少で景気も上向かない中で金利が今後上がる余地は少ないですが、それ以上に下がることはまずあり得ません。

そのため、金利上昇デメリットを考慮すると、固定金利がよろしいかと思います。

ただし、景気に対する予測は誰も確実なことは言えない点、また金利も同様に予測が難しい点も考慮すると最後はご質問者様が今後どのように考えるかに寄ります。

材料としては、足元アメリカで少し金利が上昇しましたが、イールドカーブがブルフラットニングにより逆イールドとなっていることから方向性が読めない部分もあります。

私の考え方はあくまで以上の通りですが、最終的にはご判断をしていただくしかないと思っています。

長文を失礼いたしました。

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パウエル五郎

名前:パウエル五郎 年齢:30代 経歴:金融機関で国内外の株式のアナリストやファンドマネージャーなど一貫して株式のトレーディングに携わる。 2016年にアマゾンを購入してからひたすら買い増し、現在はVTなど世界分散投資も実践。