フィリップ・モリス(PM)の業績見通しの判断が分かれています。
PMといえば世界的なタバコ株ですが、配当利回りは5.6%で利回りはかなり高いことに加え、本部がスイスにあるため、他の銘柄と異なり配当金に対する現地課税がされず、高配当投資家に好まれています。
しかし、現在株価は81ドル付近で推移しており、2017年6月につけた120ドルをつけてから下落基調にあります。
株価が軟調なのはあくまで先進国における喫煙人口を悲観してのことです。
しかしながら、人口が増加している新興国における喫煙人口は今後増える可能性があり、将来、これらの国で市場開拓を行うことを踏まえれば今後過度に業績が低迷する可能性は低いです。
もう一つ気になる点として、PMは債務超過であることが挙げられます。
債務超過とは財務諸表のうちのバランスシートにおいて、資産よりも負債の方が多い状態のことを言います。
日本では上場企業が債務超過になった場合直ちに上場廃止になるため、配当金を減らしたり、 増資して負債を返済(圧縮)するなど、どんなことをしてでも解消しようとします。
ただそうは言っても金利が上昇すると金利負担が大きくなって収益を圧迫するのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、実際はそのような心配はご無用です。
なぜならアメリカのバランスシートにおける純資産が簿価評価されているため、実際の株式市場における時価換算をすると、負債よりも資産の方が多くなるため債務超過は解消されます。
ちなみにアメリカでは日本と違って債務超過に陥っても上場廃止となりません。
通常、その年に発生した利益は税金が引かれたあと配当金の支払いに充てられますが、この配当金の支払いが行われた後に残るのが内部留保で、バランスシートの純資産に計上されます。
日本のように、市場のルールで債務超過を上場廃止の条件としてしまうと内部留保を高めるバイアスが働いてしまい、結果的に配当金の支払いを抑えようとしてしまいます。
このようなルールを整備することで、日本企業とは違って、利益を株主に還元させる傾向が強くなるのです。
管理人が日本株よりもアメリカ株を優先しているのはこのためです。
脱線してしまいましたが、話を元に戻すとPMは債務超過ではあるものの、市場のルールとしてはなんら問題はなく、コカコーラやマクドナルドなど、株価が堅調で配当性向の高い優良企業はみな債務超過であることがわかります。
強いていうと景気上昇局面では金利の支払いコストが高まるのではないかという指摘もありますが、現在は利下げ局面であること、キャッシュフローが堅調に推移していること、純資産価額を時価評価すると大幅な債務超過が解消されることを踏まえると特段問題ないことがわかります。
このように超優良企業のPMは6%近い配当利回りを有しており、今後も業績が安定的に推移すると想定されるため、投資家にとっての金のなる木となる可能性が高い。
グロース銘柄と高配当銘柄の宗教論争も、私の中では決着が着いています。
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パウエル五郎

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