PGの4Q決算注目ポイント
管理人のポートフォリオでも大活躍しているPGは2019年に入ってから既に2割以上上昇しています。
この株価上昇が今後も継続するかどうかは、現地時間(米国東部)7月30日午前7時、日本時間で7月30日午後9時に公表される第4四半期決算にかかっています。
今回はP&G社のCEOのコメントも踏まえ、今後の動向を探ってみようと思います。
PGの配当利回りは2.56%と他の高配当銘柄に比べると突出して高いイメージはありません。
しかし、PGが優良銘柄である所以は配当以外の株主還元策に如実に現れます。
すなわち、2019年の1年間の配当と自社株買い総額は120億ドル、これは日本円では1.3兆円にものぼることからわかる通り、同社の株主還元策の評価は配当利回りに加えて自社株買いとセットで考えなければなりません。
この株主還元が今後も継続されるかどうかが今回の決算発表のポイントになります。
具体的にどんな指標を見るべきかポイントを抑えるために、まず3Qまでのおさらいを軽く見ておきます。
PGの過去3四半期の成長は2012年以来、最大の伸び幅でこの間の既存事業売上高は平均4%で成長していました。
年間の成長率でもこの4%を維持するためには、当然4Qで4%を達成しなければなりません。
ちなみに2018年4Q(前年同期)の成長率は2倍で、ライバルのKMBは2018年4Qで3%で2019年4Qで5%でした。
同業ライバルのKMVの5%成長率は過去最高であったことを踏まえると(市場シェアの観点で)PGの4%達成は難しいかもしれませんが、今回の決算の一つのポイントと言えるかもしれません。
冒頭の株主還元策の継続性を見極めるためには、こうした売上高に加えて、以下の二つのポイントを見る必要があります。
売上高営業利益率
一つ目が売上高に対する営業利益の比率です。
株主還元は当期利益から内部留保を除いた金額からねん出されるため、配当金と自社株買いなどの株主還元策の継続には当然のことながら利益の確保が必要となります。
イノベーティブな企業であれば売上高の伸長がベースとなりますが、同社のような安定した事業では売上高よりも利益率のほうが寄与することが多いです。
株式評価という側面では同業種内で比較される傾向が強いため、PGが業界トップランナーとして評価されるためにはライバルのKMVの営業利益率が15%であることを踏まえると20%以上必要となります。
PGはこれまで製品価格の値上げとコスト削減に力を入れてきたのでこれは達成する可能性が高いです。
フリーキャッシュフロー生産性
二点目のフリーキャッシュフロー(FCF)生産性とは純利益に対するフリーキャッシュフローの割合です。
事業活動で発生したキャッシュフローに対して、どれだけ株主に還元したかを表しています。
PGの場合、キャッシュフローの大部分を株主に還元しており、これが95%以上になっているか確認する必要があります。
特に何もなければこの比率も今まで同様、継続される可能性が高いと言えます。
まとめ
以上をまとめると
- 売上高は2017年の1%、2018年の2%成長から向上し、前年比4%成長へさらに加速
- 製品価格値上げとコスト削減によって売上高利益率がさらなる改善傾向継続
- 株主配当と自社株買いなどの圧倒的な株主還元策
から引き続き高い成長率を示すものの、一方でリスクとしては、
- KMVなどのライバル企業の台頭によってこれまでの市場シェア拡大ペースの減速(同社CEO David Taylor)
- ディフェンシブ銘柄とは言え、世界的なブランドのため為替リスクの影響や世界景気減速による消費動向に左右される
が挙げられます。
キャッシュフロー製造装置として優良銘柄のPGは今後の動向に目が離せません。
PGに加えてJNJも優良銘柄ですね
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パウエル五郎

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