エクソンモービルXOMに対する投資方針

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経済の成り立ちと金本位制の導入 ...

前回のブログで以下のようなことを書きました。

アメリカが経済大国であり続ける以上、ドルの信任が低下する可能性は考えづらく、アメリカはどんな手段を講じてでも石油市場での取引通貨としてのドルの役割を手放さないはずです。
パウエル五郎
パウエル五郎

以前のブログにも書きましたが、石油の需要や取引はドルの存在意義を高める上で重要な役割を果たしており、エクソンモービル($XOM )はその石油取引における最大手ということができます。

言い換えるとエクソンモービル($XOM )はアメリカが経済大国であり続けるために必要な企業ということができ、更にいうと世界経済ひいては東西冷静構造や地政学的な力学関係における安定性において非常に重要な役割を担っていると言え、多くの利権に絡む体制派はその恩恵を受けています。

その重要な企業であるはずの石油大手 $XOM の株価ですが、ここ数年冴えません。

パウエル五郎も投資先として大きなシェアを持っているのでXOMの株価下落は気になるところです。

以下は3月16日引値で34.45ドルと大きく下落しています。

これは歴史的安値となっている石油価格が大きく下落していることによるものです。

WTI原油先物週足チャート

XOMは石油そのものを確保して販売するUpstreamと石油から製品を作って販売するDownstreamに分けられますが、利益の6割以上がUpstreamによるものです。

Upstreamは油田からの石油掘削コストは一定なので、石油価格が上がればその分儲かるし、下がれば儲かりません。

原油先物の価格推移をみるとわかるように石油価格が一時的に大きく下落しているフェーズなので同社の収益環境が悪化し、株価もつられて下落している状況ということができます。

では今後の値動きがどうなるのか私の考えとともに予想し、投資方針を決めていきたいと思います。

さて、前の記事でアメリカが最も大事にしているドルの信任をめぐる情勢とその根底を支えているエクソンモービルの株価が下落していることについて触れました。

こうした情勢を考える上で重要な事象が、現在の石油市場において重要な産油国であるサウジアラビアの行動です。

サウジアラビアの動向と石油価格への影響

サウジアラビアは約2,700億バレルの埋蔵量、日量1,000万バレルもの原油を産出する世界最大規模の産油国です。

これまでサウジアラビアは安全保障面でも石油の輸出先としてもアメリカに大きく依存してきました。

しかし、1990年代以降、中国の経済発展やアメリカでのシェール革命により両国の関係性は変化してきます。

中国はサウジ産原油の輸入量を増やしており、今後有利な条件で資源の確保を行えるようにするため、一帯一路戦略では油田開発に資金援助をするなど関係性強化に取り組んできました。

またシェール革命によりアメリカ国内でのエネルギー資源の獲得ができるようになると、相対的にサウジアラビアとの関係性の優先順位は低下することになります。

こうした中、サウジ政府に対して批判的な記事を書いていたトルコ人記者がトルコのサウジアラビア大使館で殺害されるという事件が起こりました。

その首謀者とされているサウジアラビアのムハンマド皇太子(ムハンマド・ビン・サルマン)は、他にもアマゾンのジェフ・ベゾスが保有する携帯電話に盗聴を仕掛けた事件の首謀者としても嫌疑がかかっています。

最近では皇太子が自分の弟やおいをクーデター未遂で拘束するという事件もありましたが、権力基盤に対して執着心の強い皇太子を中心に、進められてきたのが2019年12月に国内市場に上場したサウジアラムコです。

サウジアラムコは国営企業ですが、IPOすることで中東諸国の投資家から資金を調達し、石油ビジネスの事業効率化と国家財政における収益源の多角化を図ろうとしたのです。

サウジアラビアにとって、いわば虎のことも言えるアラムコは現在、全世界の上場企業の中で最も時価総額が大きく、この企業を通じて更に発展を遂げようと画策しているということが、エクソンモービル始め他の石油メジャーにとって大きな影響を与える可能性があります。

今回のコロナウィルスをきっかけに石油需要の低迷が予想されるためサウジアラビアは原油の価格を下支えしようとOPECプラスで協調減産を呼びかけましたが、ロシアが反対して交渉が決裂した結果、原油価格は1バレル30ドルを切る事態となってしまいました。

なぜロシアが反対したかというと、減産によってロシア側の輸出額が減ることを嫌気したと伝えられていますが、実はロシアもヨーロッパや中国に天然ガス(LNG)を輸出していたことから、アメリカのシェールガス関連企業に貢献するような合意をしたくなかったと言われています。

ちなみにこのロシアからヨーロッパにLNGを輸送するパイプラインのことをノルドストリームと呼ぶのですが、民間経済も国家財政もこのLNG輸出に依存していることに加え、パイプライン建設には9,000億円以上もかかっているのでロシアとしては原油相場の動向とシェールガス企業との競争は死活問題だったというわけです。

いずれにせよ、交渉が決裂したことでサウジアラビアは増産に踏み切るわけですが、これによって被害を受けるのはアメリカのエネルギー産業です。

そのため今後はシェールガス関連企業がある程度淘汰されたり統合などの道をさぐる可能性もありますが、トランプ大統領はアメリカ国内の備蓄量を増やすなどあらゆる手を使って石油産業を守ろうとするはずですし、サウジアラビアもこれ以上の主要輸出先との関係悪化は避けるはずです。

そのため、XOMについてはどんなに原油価格が下がろうが保持していく予定です。

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パウエル五郎

名前:パウエル五郎 年齢:30代 経歴:一貫して米国株投資を継続中。 2016年にアマゾンを購入してからひたすら買い増した後2018年9月に100株全売却して方針転換。現在は高配当ディフェンシブ個別銘柄やVTなど分散投資

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