投資を始めにするとき、もしくは投資戦略を変えるとき、最初に考えないといけないことの一つが、このインカムゲインを狙っていくのか、キャピタルゲインを狙っていくのか、です。
もちろん、グロース投資をするのかバリュー投資をするのかなど同じような問いではあるのですが、どのように利益を増やしていくかを考えると、どちらのゲインを重視するのかを選択しなければなりません。
ゲインと聞くと難しく捉えてしまいますが、要は安く買って高く売るのかという戦略がキャピタルゲインを獲得すること、配当を少しでも多く貰うための戦略がインカムゲインを獲得するということになります。
キャピタルゲイン狙いの代表例が無配当のアマゾンのような銘柄を購入して、値上がり益を待つというものです。
一方で、AT&Tやベライゾン・キャピタル(VZ)やIBMなどの高配当銘柄を保有し、株価の値上がりというよりも配当金をもらい続けるという投資手法になります。
配当金は通常、フリーキャッシュフロー(以下FCF)が原資となりますので、いくら業績が良くて営業キャッシュフローがあっても設備投資が多ければFCFが小さくなり、配当金を拠出することが難しくなります。
そのため、設備投資の少なくても安定して営業利益が安定している企業、すなわちディフェンシブ銘柄などが多い傾向にあります。
一方で配当金よりも設備投資にお金をかけて事業成長することを優先している銘柄では配当金が少ないもしくは、もらえない代わりに成長によって株価が上昇しやすくなります。
こうした銘柄は配当金などのための余剰資金が少ない傾向にあるので純資産が少ない代わりに将来の利益成長を見越して株価が割高になる傾向にあるため、PBRが高いという特徴があります。
PBRが低くて割安な銘柄はバリュー株と呼ばれますが、PBRが高い銘柄はグロースと呼ばれ、無配当銘柄の代表例となります。
以前このブログで、上げ相場では相対的に配当金などのインカムゲイン狙いの投資はやめた方がいいと書いたのはこうしたディフェンシブ銘柄が上げ相場で相対的に負けるからです。
逆に上げ相場で勝ちやすいのは無配当もしくは低配当などのグロース銘柄となります。
こうした銘柄は相場の上昇気流に乗ってどんどん上げていく一方、下げ相場ではディフェンシブ銘柄に資金が移動するため、相対的に負けやすくなるなど、相場全体の動きに連動するモメンタム属性が高くなる傾向があります。
現在のように長期金利が上昇し、先行きのリセッション観測が出ている現状においては高配当ディフェンシブの魅力が相対的に高くなるため、モメンタム属性の高いグロース株はアンダーパフォームしがちです。
景気や相場の転換点を事前に予測することができ、現在の相場が強気だと確信を持てればモメンタム属性の高いグロース株などに投資すれば良いのですが、未来を予測する能力を持っている投資家はごくわずかです。
言い換えれば、将来の先行きが不透明な状況では、もっと言うと予測能力に自信がない投資家であれば高配当株投資、すなわちインカムゲイン狙いとする投資戦略が最適なのです。
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パウエル五郎

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