株式投資で株価が安くなることを待っても大きなメリットはないことが常です。
資金制約を守ってルール通りに運用することで確実に資産を増やすことができる理由を書いてみたいと思います。
株式投資における順張りと逆張り
順張りとは株価が今上がっている銘柄を買うことです。
一方で順張りに対して逆張りとは、今下がっていて、将来反転して上がるだろうという銘柄を買うことです。
どちらも今後上昇してから売ることを目的にしていることは同じなので、購入するタイミングでは割安であると認識していることが共通しています。
高配当ディフェンシブ投資は基本的に順張りとなります。
なぜならセクターの特性として業績改善のための積極投資をしなくても安定したキャッシュフローを実現できており、将来も永続的に見込めることから時間の経過とともに企業価値が上昇していくグロース銘柄と判断されるためです。
一方で市場の評価が企業価値に対して割安に評価されている銘柄に対する投資はバリュー投資となります。
ちなみにその銘柄の企業価値をどう置くかでバリューかグロースか人によって判断が分かれますが、定量的に時価総額を財務諸表上の簿価で割ったPBRの大小で判断することもあります。
さて、PBRの高いグロース銘柄に対してどんな投資戦略を描いていくべきでしょうか。
私の場合、毎月一定額をグロース株を中心としたアメリカ株に投資しています。
これはいつ相場が急落しても良いように時間分散を図るためで、ドルコスト平均法と呼ばれます。
重要なのはその株価の下落を待つのではなく、相場全体が下落することを意識して時間分散を図っている点です。
投資ポリシーとしてグロース投資をしているのに、株価が急落することを待って逆張り投資を狙っているのは矛盾しているからです。
グロース投資の場合、安定したキャッシュフローを背景に市場が成長を見込んでいるためその銘柄だけが急落する可能性が低く、急落を待っているといつまで経ってもその銘柄を買うことはできません。
言い換えるとグロース投資で理想的な購入方法は一時的な下落である押し目を待つのではなく、常に最高値で買うことです。
もし、最高値で買うことが怖いならそれはグロース銘柄ではないということになります。
またグロース戦略で押し目を待つべきではない理由として、仮に機会があっても押し目狙いをしても大したメリットがないことが挙げられます。
例えば代表的なグロース銘柄であるKOを考えてみます。
現在の株価が51ドルのKOを50ドルで買うことを考えているとします。
KOのチャートを見るとわかるように短期的な急落を見込みづらいことがわかるかと思いますが、この1ドルのために一年待って安く買えたとします。
1年待って50ドルで買えたということは2%割安で買えたことになりますが、すぐに買っていたらその間に貰えたはずの配当金を失ったと考えることもできます。
この51ドルで購入して一年前倒しにその配当金をもらうパターンと一年後に50ドルで購入するパターンだとどちらが良いでしょうか。
まず、一年後に2%安く買ったとして浮いた資金を効率的に運用できているかが問題です。
いくら安く買ったとしても、浮いたコストで別の銘柄をほぼリアルタイムに2%分多く買えていないと待った甲斐はなくなります。
しかし、往往にしてそんな都合の良いことはなくて、浮いたコストで別の銘柄を買おうとしたときにはすでに他のグロース銘柄も高くなってしまっている可能性のほうが高いです。
相場全体が下がっていればその分他の銘柄もセットで安く買えるかもしれませんが、その場合にはさらなる下落リスクを意識しておく必要があり、全資金を投下することは難しい場合もあります。
逆に早めに投資していた場合、その後にもらえる配当金とその再投資も含めてリターンがさらに大きくなっていた可能性があります。
仮に配当利回りが3%とすると、その配当金を再投資して一年前倒しに他の銘柄を安く買えた場合、年間のアメリカ株の平均リターン6%安く買えていたことになります。
この場合だと2%安く買うよりも3.18%の他の銘柄のリターンを享受することを選んだほうが賢明と言えます。
つまり、数%安く買ったとして、メリットとしてはそこまで大きくないことに加え、グロース投資であれば逆張りを狙うことは戦略的な矛盾と投資機会の喪失を意味し、トータルリターンは悪化します。
リセッションで弾切れを起こさぬよう投資資金を抑えることは良いことですが、個別銘柄単位で一時的な下落を待つのは悪でしかありません。
そのため、例外なく毎月一定額を積み立てる方法が最も効果的であることがわかります。
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パウエル五郎

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