今年最大の下落と逆イールドカーブが意味するもの

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14日のニューヨーク市場はダウが800.49ドル値下がり、今年いちばんの下落幅となりました。

また10年債利回りが大幅に下落し、3ヶ月もも金利を下回るなど逆イールドカーブの様相を呈しています。

そもそも長期の金利が低下するのは、その年限(今回では10年間)の市中金利が低下すると市場が予想しているからです。

市中金利は中央銀行が政策金利によってコントロールするものです。

景気が悪ければ市場でのマネーの流通量を増やそうとして政策金利を下げることで市中金利も低下します。

市中金利の低下によって、債券を発行する企業や政府(発行体)は債券を発行するよりも市場から無リスクで資金を借入した方が割安なので債券の発行コスト(金利)も低下します。

一方で、市中金利が低下すると、投資家は債券に投資するよりも無リスクで市場から資金を借りて他のリスク資産に投資した方が合理的と考えて債券が売られるので債券価格が下落(金利は上昇)する圧力も働きます。

そのため債券の金利は一方向的には動きづらく、金利の低下幅と上昇圧力の差額が資金調達意欲と投資家のリスク許容度という2つの要素により債券に対する需給という形で表現されます。

さて、このように債券の金利決定要因としては政策金利と他のリスク資産の魅力度が重要であることが分かりますが、債券投資家と株式投資家の等しく賢明であれば逆イールドカーブはは今後の景気の低迷も意味しているため、流動性の高い株式の方が先に売られていてもおかしくはありません。

したがって、新たな材料がなければ逆イールドカーブ現象が発生することはないと考えると何がきっかけになったのか。

1つは14日にニューヨーク連銀発表されたアメリカの家計債務が過去最大を更新したというニュースです。

家計債務とは一言でいえば借金のことであり、家計におえるクレジットカードや住宅のローンが増加していることから家計の債務コストを嫌気したものと思われます。

実際に、下落しているのは30年ではなく10年の年限のみでこれは家計の債務の返済サイクルに一致します。

家計の債務が拡大すると金利によって発生する支払いコストも増大するので、FRBは今後利上げに動きづらくなったと(市場が)判断した可能性が高いです。

いずれにしても市場は株式などのリスク資産の低迷、景気の悪化を意識しつつ、ローン残高の水準を確認して先行きの金利見通しがネガティヴであると判断して逆イールドが発生したと考えられます。

そのため、今後はFRBによる利上げ可能性が低下した反面、景気低迷は避けられず金融緩和政策の出口条件に対する不透明感から株が売られたと見ることができます。

世界に目を向けると、各国が金融緩和政策として債券を購入していることから、中央銀行への売却による売買差益を狙った機関投資家が債券を購入した結果、需給が引き締まり、債券価格が上昇(金利低下)している側面もあり、このことからも金融緩和政策と景気の低迷が長期化することを裏付けています。

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パウエル五郎

名前:パウエル五郎 年齢:30代 経歴:金融機関で国内外の株式のアナリストやファンドマネージャーなど一貫して株式のトレーディングに携わる。 現在は日本株の個人投資家として独立。2016年にアマゾンを購入してからひたすら買い増し、現在はVTなど世界分散投資も実践。

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