ゴーン社長逮捕は社内事情だけではない、より大きな対立軸が背景にあった

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ゴーン社長の逮捕は西川社長との社内対立だけが原因ではない?

11月19日16時ごろニュース速報で、日産のゴーンCEOが金融商品取引法違反により、東京地検特捜部から任意聴取を受けるというニュース速報が飛び込んできました。

日産という大企業のトップが突然の逮捕というニュースは大きな衝撃でした。

しかし、今回の逮捕劇は起こるべくして起きたというのが管理人の見方です。

それを紐解く上で日産とゴーン氏の関係性から簡単に見ていきます。

日産は1999年に2兆円の有利子負債を抱えて経営危機に瀕していた際、救済される形でルノー傘下に入りました。

一方、新卒でミシュランタイヤに入った後、手腕が買われてルノーにヘッドハンティングされたゴーン氏はその後順調に出世し社長にまで上り詰めていました。

日産には業績回復を託される形で派遣されます。

ゴーン氏としては辣腕を振るう絶好の機会でした。

その後、日産はルノーから派遣されたゴーン社長を筆頭に奇跡のV字回復を果たし、燃費不正問題で窮地に陥っていた三菱自動車も含めた日産とルノーの三社連合は販売台数世界一になるなど、目覚ましい成長を遂げます。

このように経営手腕はピカイチで讃えられる存在となったルノー氏でしたが、2018年3月期決算は、売上高が11兆9512億円(前期比2%増)と増収の一方、営業利益は5748億円(同22.6%減)と大幅に減益となりました。

2019年3月期も米国市場の不調を主因にとして、売上高12兆円(前期比0.4%増)、営業利益5400億円(同6%減)、3期連続減益を予想しています。

一時の業績絶好調の時に比べて少し雲行き怪しくなった足元の経営状態になると、責められるのは経営者ですね。

当然日産も毎年10億以上役員報酬(この価格が後々問題になるのですが)をもらっていたゴーン氏に批判が集中します。

日本企業の経営者の中では10億を超えるのは破格の金額です。

今回、技術投資で必要なお金をリストラという形で削られてきた不満が批判に変わり、社内から噴出する形で内部告発に至ったのは自然な流れでした。

口では責任はトップにあるとしながらも不祥事や業績不振の時には前面に立たず、それぞれ志賀COOを更迭したり、西川社長を会見に立たせて自分は海外で外遊していましたからね。

、、、、

というのが、表向けの経緯ではないでしょうか。

通常、内部告発という形であれば社内調査の過程で何らかのリークが事前にあったり、場合によってはゴシップ雑誌で囁かれたりするものですが、そうしたものが一切なく、急転直下での逮捕劇、報道から数時間後には会長職解任決議案提出など、動きが迅速であった点を踏まえると、国家政治などが絡んでる可能性が十分あると思っています。

管理人は今回の解任・逮捕劇の裏にはいくつかの対立軸と思惑が交錯しているものと思います。

国家間の対立軸~フランス政府と日本政府の対立

今回ゴーン元社長の古巣であり、日産の筆頭株主のルノーはフランス政府が15%の議決権を保有しています。

現在のフランス大統領であるマクロン大統領は2014年に経済大臣(経済・産業・デジタル大臣)に就任した時からルノーによる日産の合併を虎視眈々と狙っていました。

ルノーによる救済後、日産はメキメキと成長したため、今やルノーを圧倒的に凌ぐ売上となり、日産を国内に取り込むことができれば雇用創出、税収増でフランス財政難を潤すばかりか、国内経済回復で一石二鳥だからです。

フランス政府はルノー株の15%を保有しており、この議決権をフルに活用できるようになってから法整備を進めて合併の動きを急加速させます。

例えば、2年以上株式を保有している投資家に対して議決権を2倍にするフロランジュ法などはその典型です。

当然国家を代表する一大企業の税収を取られたくない日本政府としては食い止めたいところです。

国家間の対立に関する考え方としては二つあります。

1点目、まずルノーから派遣されたゴーン氏の不祥事によってフランス政府に貸しを作ることで、日産のフランス化を防ぐ狙いがあったのではないでしょうか。

次に11月11日、第一次世界大戦終戦100周年式典で国際社会が見守る公式の場で、マクロン大統領とトランプ大統領はナショナリズムを巡ってお互いの批判から対立が深まり、twitterなどでも応酬が続きました。

米仏関係が悪化している間に、日産という人質を取られている日本が、アメリカという後ろ盾に得やすい状況で、フランスに対して強気の姿勢が取りやすかったというのが2点目です。

ゴーンとフランス政府の間にも不和

現在、日産は三菱自動車とルノーの三社でアライアンスを組んでいますが、その統括母体のトップはゴーン社長です。

先ほど書いたように、フランス政府は雇用創出を目的として日産とルノーの合併を進めて日産のフランス化を進める思惑を持っています。

一方、当然、国有化ともなれば自由の効かない組織になったり、なによりも自分がトップでい続けることができなくなることを恐れたゴーン氏とフランス政府の間にも思惑のズレが生じます。

毎年10億以上もらっている役員報酬ももらえなくなる可能性を考慮すると保身に走るゴーン社長をフランス政府が煙たがっていた可能性もあります。

日産内部の対立軸

冒頭に表向きの理由として書きましたが、当然、日産ほどの大企業ともなれば社内政治や権力闘争は激しいものになります。

逮捕された19日22時に日産の西川社長は記者会見を開きました。

この会見で管理人が最も感じたのは西川社長による強いゴーン氏への批判でした。

積年の恨みがつのっていたと感じる一幕もありました。

日産としては一時的な株価下落を許容してでも、司法取引によってゴーン氏の経営権剥奪を狙ったというのが今回西川社長が描いた対外的な青写真でしたが、その背景にはフランスとルノー、日本、アメリカ政府という複雑な対立関係がありました。

今年6月に日本で導入された司法取引制度がこのような形で初めて大きな事件に適用されたのは、偶然によるものではないのかもしれません。

やっちゃった、、日産

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パウエル五郎

名前:パウエル五郎 年齢:30代 経歴:サラリーマン時代は赤い銀行で国内外の株式のアナリストやファンドマネージャーなど一貫して株式のトレーディングに携わる。 現在は日本株の個人投資家として独立。2016年にアマゾンを購入してからひたすら買い増し、現在はVTなど世界分散投資も実践。

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