2018年は多くの投資家にとって文字通り山あり谷ありの波乱万丈な相場となりましたね。
2月に大暴落、そこから急回復して、10月に再度下落してまた回復しつつあります。
管理人個人としては、今年は2年前から買い増してきたアマゾンを9月末に全て売却した記念すべき年になりました。
またそれと同時にそれまでのグロース株中心から高配当銘柄中心のポートフォリオに転換した年でもあります。
現在、保有銘柄の中ではPM、VZ、JNJ、PGが好調、決算が不調だったAT&T(T)が不調、その他BTIなどが横ばいという感じで推移しています。
同じ高配当の中ではXOMは保有していませんが、T同様に安いから飛びつくには少し危険な香りもします。
そんな中で本日はPMに焦点を当ててみました。
というのも昨日、PMの加熱式たばこの主力商品IQOSで新商品が発表されたからです。
Contents
良好なPMの業績
今年の11月15日に発売予定の新商品IQOS3とIQOS3 MULTIはそれまでのIQOS2.4よりも充電効率が改善され、より持ちやすくコンパクトになるなど、基本性能の向上に加えて、まるでアップルのような洗練されたプロダクトになった点が注目点だと思っています。
たばこというと、近年は特に(私も含めて)健康面での配慮から敬遠されがちでしたが、無煙化されたことに伴い、より気軽に、またファッション性に優れたものになりました。
最近では燃焼式のたばこよりは加熱式の無煙たばこの方を好んで吸う人を多く見かけるようになったことーもあり、投資家の皆さんの中にはPMの決算が気になるという方も多いのではないでしょうか。
次の決算まで少し時間が空いているので、今回は時間軸を少し戻して2018年3Q決算資料をレビューしてみます。
2018年3Q連結決算のハイライト
希薄化EPSについて
・前年同期比(対2017年3Q)の希薄化EPSの$1.27に対して2018年4Qは13.4%($0.17)上昇の$1.44になりました。
※希薄化EPSとは発行済みの株式数に加えて将来株式に転換される可能性のある転換社債やワラントも含めた株数を分母にとったEPSです。
・今期は為替変動が反対に動いたがその影響を除くとEPSは20.5%上昇しました。
出荷量と内訳について
・燃焼/加熱たばこの総出荷量は2037億ドルで2.1%減少したが、代理店の在庫調整を加味すると1.1%の上昇となりました。
・燃焼たばこの出荷量は1951億ドルで、1.7%(34億ドル)の減少となりました。
・加熱たばこの出荷量は87億ドルで、11億ドル(11%)の減少となりました。
・売上高は75億ドルで0.4%上昇しました。これは為替の影響を除くと3.3%の上昇です。
・営業利益は32億ドルで2.25の上昇となりました。これは為替変動を除くと7.6%の上昇です。
年間計画について
・今年は希薄化EPSは$4.97~5.02を予測しています。
André Calantzopoulos CEOのコメント
3Qは良い成長ができた。
代理店の在庫調整を除くと、前四半期比と前年度比でプラス推移となった。
これは燃焼たばこ同様、加熱式たばこが引き続き堅調に推移したことによるものである。
我々の市場シェアは四半期で0.5%、前年度比で0.6%上昇した。
EPSは(為替変動の影響を排除すると)年間で8~9%の成長を見込む。
特にEUとロシアで伸びているが、我々は引き続き無煙たばこに注力していく。
事前の発表通り、新型商品IQOS3、IQOS3 MULTIを世界の発売に先駆けて日本で先行販売を開始する。
今年の加熱式たばこの出荷量は410~420億と前年度比で2倍にする目標を据え置く。
以上ですが、トータルの出荷量の減少が気になりますね。
加熱式たばこ、燃焼たばこ共に新商品発売に向けて販売店の在庫調整が進んでいるのかと思います。
また新商品の投入による売上伸長も期待できそうです。
一点気がかりなのは、この加熱式たばこがアメリカでは販売許可が降りてないことが挙げられます。
食品医薬品局ではこの加熱式たばこが燃焼たばこよりも害が少ないという宣伝をしてはいけないということになっています。
日本ではなぜか販売できていますが、疑問の声が上がっていることも事実です。
ただ株主であればそうしたリスクを注視する必要があるものの、新興国の潜在的な売上寄与度も含めて今後の収益拡大が見込めるPMには期待をしています。
個人的にはたばこは吸わないし、健康被害も気になりますので、身近な人には吸って欲しくないのですが、依存性のあるビジネスですので当面は禁止されることもないと判断し、また連続増配傾向、株価も堅調ということも評価して、ある種の健康保険という意味合いで保有していきます。
↓ポチっと押して頂けるととても喜びます。
この記事を読んだ人は以下も読んでいます...

パウエル五郎

最新記事 by パウエル五郎 (全て見る)
- 【ポストコロナの世界】様々な民主化の流れが加速する - 2020年4月25日
- コロナを受け保有銘柄の入れ替えを行う - 2020年4月23日
- コロナを受けてポートフォリオ戦略を変更する! - 2020年4月22日