世の中にはたくさんのビジネスであふれていますが、管理人は街でさまざまなお店を見るたびをその商売の優位性を考えてしまいます。
最近の第4次タピオカブームなどもその一つです。
最初は都内で流行って、SNSなどで拡散され、すこし遅れて郊外などでも行列ができて全国的な流行が形成されます。
飲食店、サービス業、農産物や加工品などの製造業をいろいろ見てきましたが、どんなビジネスも必ずぶち当たるのが数と単価の問題です。
最近印象的だったのが、夏祭りでみかんの缶詰をキンキンに凍らせて売っている出店です。
シロップが凍ってかき氷のようになっていて、フォークとセットで500円程で売っていたのですが、その日はカンカン照りで気温が35度を超えていたこともあり、お店の前には100人以上の行列ができていました。
そのお店に人が殺到したこともあり、他の店がその店に苦情を言いにくるほどでしたが、管理人はその光景を見てこの商売について考えてみました。
3時間ほどのお祭りで常時100人が並んでおり、お店の人は500円を受け取ったら凍ったみかんの缶を渡す作業を(お釣りを渡す時間なども込みで平均すると)10秒間隔で繰り返します。
人は途切れるどころか売れれば売れるほど行列の長さは大きくなるばかりで、売上はざっと計算しても360個/時間*500円/個*3時間だから1日で50万円程です。
ここから材料費や人件費、その他出店コストとして20万円を引くと30万円の利益です。
この利益を大きいと取るかは人によるかも知れませんが、常時100人以上の行列ができるほどの商材を考えることの難しさの割に得られる利益は少ないように思います。
しかし、まだ一人で回せる出店ならいざ知らず、これが売上とともに組織を大きくしないと成立しないなら尚更コスパが悪いです。
出店などはお祭りの回数など販売機会が少なく、ブランドなどもないため継続性の観点から旨味がイマイチです。
そのため、次に露出を高めてブランドとしての認知度を上げるため、路面店など集客が容易な場所で服を売るビジネスを考えてみます。
マーケティングを成功させて認知度を高めることそのものも難しいのですが、仮に成功して人気ブランドになったところで接客が必要な路面店の場合、来店客数に応じて店員の採用が必要になります。
人が増えると店員を教育するためのマニュアルを作ってサービスクオリテイを保つなど、社員教育が必要な上、彼らを管理する上司やマネージャーの採用のほか、福利厚生のコストもかさみます。
これを人気店だから嬉しい悲鳴と捉える人もいますが、実際は売上が上がっても事業効率化を進めないとさまざまな経費がかさなって赤字になってしまい、ビジネスは頓挫します。
人気店を作ることの難しさに加えて、こうした事業運営の難しさはビジネスをやる上でどこまでも付きまといます。
物販ビジネスに限らず、サービス業でも同様で、例えば人手がかからないと思われているインターネットビジネスでも同じことが言えます。
ビジネスを開始するために採用ページに募集をかけて高い人件費でエンジニアを採用したり、アクセス数に応じたサーバー代や漏洩を防ぐためのセキュリティ管理者を増やす必要もあります。
このようにどんなビジネスでもスケールする上でコストが増えるのは程度の差こそあれど同じ構造です。
そのため、売上に応じて指数関数的に伸びてしまう管理コストを抑えるため、その効率化を考えなければならないのですが意外にも軽視されがちであり、これによって頓挫することも珍しくありません。
ここまで読んでいただいた読者ならお分かりかもしれませんが、こうした厄介なコストを一切気にしなくても良いのが投資事業です。
投資家は一度投資したら管理コストをほぼ考えずに済みます。
せめて年末の税務処理程度ですが、これさえもだれか頼めば仕事の欲しい税理士はごまんといますね。
また通常は費用対効果の高いビジネスほど、人気でレッドオーシャンになっていたり、参入障壁が高かったりするのですが、投資の場合は配当利回りや資本政策としての投資効率の高い銘柄ほどガチホールドしている投資家が多いため下落リスクが低く、有望な投資先を決めることが唯一の知的労働となります。
また投資業務の中でも債券投資や不動産などのオルタナティブ投資の中から何を選ぶかはリスクの許容度に応じますが、将来の有望株を選べばインカムゲインとキャピタルゲインの両採りすることができます。
さまざまなビジネスを見ていても株式投資が究極的なビジネスであると考えるのは以上のように投資効率が高いためであり、他のビジネスはその種銭を得るためのきっかけに過ぎないのです。
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パウエル五郎

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