老後の2000万円を憂う前にやるべきこと

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年金2000万円問題が話題になってから老後の生活について触れられることが多くなったように思います。

問題の取り上げ方としてはいくつかのパターンがあり、

  1. 老後を年金依存している人たちの準備不足を指摘
  2. 報告書を受け取った後の政府の対応を指摘

などです。

管理人は特に老後の不足金を今更問題視している人たちに対しては、個人責任で準備すべきという論点で終始しているため、その具体的な解決策として何をすべきかに議論が達していないことに違和感を覚えます。

最初にお伝えしておきたいのは、2000万円を補うためのメインタスクとして投資を行うべきではないと考えています。

2000万円をこれから準備するために投資を始めるという意識では恐らく難しいと思っているからです。

まず、2000万円を貯金で積み立てるためには毎月いくら必要か考えてみたいと思います。

期間はあまりにも長過ぎても不確実要素が大きく予想しづらいし、短期間で貯めるのも困難なので、まず最初に10年で考えてみます。

単純計算で10年で2000万円を貯金するためには、毎月17万円を節約して積み立てれば良いことがわかります。

貯金の目安としては月収の30%と言われているので、月収が50万円以上の方であればそこまで難しくないかもしれません。

しかし、この月収をもらうためには年収で600万円以上、すなわち国民の上位20%弱に相当するので現実的に多くの人にとっては難しく、適切な選択肢とはいえません。

逆をいえば、国民の上位20%の人が月収の30%を節約してやっと貯まる金額を、老後に必要としているとも言えます。

更にこの節約による方法の致命的な欠陥は物価上昇率が加味されていないということです。

わかりやすい例でいうと即席カップ麺はこの30年間でほぼ3倍ほどになっています。

逆に言えば10年間節約してタンスに日本円を貯め続けていても3割ほど価値が下がってしまうということです。

この実質的な資産の目減りは、足元の日本の物価上昇率は1%を切っているからといって楽観視はできず、先進国が軒並み2%のインフレ率であることを鑑みれば、資源のほとんどを海外に頼っている日本において貯金をするだけでは物足りず、節約の苦労が水の泡になってしまうことが分かります。

そのため、資産の一部を物価に連動するように増やしていくことを考えなければなりませんが、この視点で有力な選択肢として登場するのが証券投資ということになります。

そこで投資収益率を年間5%と仮定すると、手元に1200万円があって、これを全額投資して毎年5%で運用すると10年後にやっと2000万円を作れることがわかります。

投資収益率を5%としたのは、アメリカの主要株価指数であるダウ平均株価の直近10年間の収益率を参考にし、100円が一年後に105円になっているような運用方法なので想定としてはやや保守的で、十分実現可能な範囲だからです。

ただし、1200万の手元余裕資金があるような人は2000万円程度の不足は補える可能性が高いですし、そもそも余裕資金1200万円ある人は国民全体で10%にも満たないことを踏まえればこれも現実的ではないことがわかります。

ただし、この運用金額を毎月積み立てに置き換えると現実的な運用として想定することが可能になります。

例えば毎月13万円積み立てて、かつこれを月次0.4%(年率換算5%)で増やしていくことができれば10年間でちょうど2000万円になります。

この方法であれば毎月17万円貯金するよりもやや条件が緩和されますし、手元資金1200万円も不要なので、より多くの人にとって実現可能性が高まります。

もちろん、毎月の積み立て額を大きくすれば、複利効果が効くので総資産額を大幅に増やすこともできます。

仮にこの(収益率の運用)方法で17万円を積み立てると2600万円以上になり、毎月数万円積み立てるだけで10年後に600万近くも増えることがわかります。

何より、この方法であれば2030代の運用期間が長く保てる人にとって大きなメリットがあります。

その一つが複利効果です。

たとえば、毎月13万円を貯金で10年間積み立てても1560万円にしかなりませんが、これを毎年5%で運用すれば2000万円になります。

ここまでは先ほど述べた2000万円の実現性が高くなるという話に含まれるので、この関係性だけを見るとそこまで大きなアドバンテージはないように見えます。

しかし、更に運用期間を延ばすと面白いことがわかります。

例えば、20年間同じ金額(13万円)を貯金していた場合は3100万円程度、1200万円の初期投資額を5%で毎年運用していた場合は3300万円弱でしかありませんが、その期間全く同じ運用で13万円を積み立てていたと仮定すると5400万円以上にもなります。

3000万円程度にしかならなかった貯金が積み立て型を変えるだけで2000万円以上も大きくなるのは驚きですね。

更に運用期間が長ければこの差は指数関数的に大きくなります。

これが複利効果で、若い人ほど早く運用を始めれば得をするという理由です。

そのほかのメリットとして、期間が長くなるほど運用手法も変えられるのでアメリカや日本以外でも成長著しい国を選んで集中的に投資をするなど運用手法のバリエーションが効くことに加え、資金が必要なタイミングで積み立てを停止するなど柔軟に運用することもできるようになります。

デメリットとしては今のようにアメリカ株が高くなってしまった時に利確したくなる衝動が起きたり、下落時に株価が心配になるなど、精神衛生上良くないこともあります。

ただし、こればかりはリターンがリスクの裏返しの存在であり、大きく構えて待つことご重要なことも認識すべきです。

株価が堅調な時は皆売りたがるものですが、割高感や経済動向も踏まえて冷静に判断することも大事です。

例えば、今のアメリカ株の平均PER18倍程度と一般的な水準である20%まで高くないことを踏まえると現在の株価が過度な割高ではないことがわかります。

またイギリス、ドイツなどのヨーロッパや中東、アジアにリスクの芽があるものの、アメリカ経済がいたって堅調であることを認識すれば、どの国に投資をすべきかも自ずと判明します。

老後の不足資金を憂う前に時間に投資して、複利効果を最大化することに努めれば資産の最大化により早く着手することができるのです。

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パウエル五郎

名前:パウエル五郎 年齢:30代 経歴:サラリーマン時代は赤い銀行で国内外の株式のアナリストやファンドマネージャーなど一貫して株式のトレーディングに携わる。 現在は日本株の個人投資家として独立。2016年にアマゾンを購入してからひたすら買い増し、現在はVTなど世界分散投資も実践。

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