いきなりですが、管理人は銀行員が勧めてくる金融商品を買いません。
その理由は元メガバンカーだったこともあり、彼らが売っているのは銀行自らが組成した金融商品ではなく、別の会社が組成して銀行に売ってもらっている商品であるため、手数料が高くかかってしまっているからです。
管理人は銀行で運用部門でおりましたので、お客さんと接する支店勤務の行員がこうした商品を販売するのは自らの銀行の信頼を失墜する背任行為に匹敵すると思っているのですが、昨今の低金利時代で収益改善が求められる状況では仕方ないのかもしれません。
販売側ではなく、運用側からするとよほどの天才的な能力でもない限り、年間数10%以上の運用パフォーマンスを出し続けることは不可能であり、銀行が販売するような一般的な運用商品で数パーセントの手数料がかかることは、お金を捨てているようなものでありナンセンスです。
銀行の中で営業している同期もこのような事実を知っている上で販売しているのでタチが悪いのですが、いつの世も情弱はこうした事実を知らずに騙されるものです。
最近でこそ、年金の話題やネットの発達で多く人のファイナンスのリテラシーが高まってきたこともあり、このような商品を購入することはなくなってきましたが、古巣の銀行では高齢者などをターゲットに口座開設者にひたすら電話営業をかけています。
低金利の時代に銀行が利ざやで儲けづらくなったこともあるかもしれませんが、人材獲得難のこの時代に決して安くない人件費でこのような将来性のない事業戦略を展開していることに銀行業界の将来性のなさを感じざるをえませんが、それでも一定数の顧客は引っかかってしまうものです。
管理人も騙されたフリをしてこうした営業電話を聞いているといくつかの二つワードがあることに気づきました。
一つは仕組み債、もう一つは外貨の定期預金で、一番タチが悪いのはこの二つが組み合わさった商品を提案された時です。
仕組み債とは一定の条件で強制償還されてしまうような債券もしくはその類の金融商品で、いわば時限付きの核爆弾のようなものです。
例えば見た目は高い金利をうたっているものの、実は一定の水準を下回ると強制的に解約されてしまうような商品です。
ありがちな最悪の商品は為替が一定の水準を下回った時(円高になった時)に強制的に償還(解約)されてしまう仕組み的条件がある外貨預金です。
外貨預金なので条件にヒットしなくても利回りはそこまで高くないにもかかわらず、条件にヒットしてしまうと外貨のまま解約されてしまいます。
何が起きるかというと販売時にかかった手数料、年間の高い管理費用、償還時の解約手数料などコストだけがかかって、ほぼリターンがない状況で、むしろコストだけがかかって資産を既存してしまう可能性の方が高いです。
このような商品をコストも含めてよくよく考えてみると、株価が安い時に生の株を購入したり、円高の時に通常の外貨預金をしたほうが効率的であることに気づくわけです(もちろん一時的に発生した超円高環境や株価の安い状況で奇跡的に契約締結できれば良い条件の時はありますが)。
金融リテラシーがあればこのよう商品を銀行員の言われるがままに契約したりせずに、リターンとリスクを考慮し、経済合理的な投資戦略を作ることができます。
例えば世界的な優良銘柄が集まる米国株などは代表的なマーケットです。
米国株市場にはジョンソン&ジョンソン(JNJ)やP&Gなど世界中の人々の生活に深く入り込んでいる商品や、フィリップモリスのように合法的に中毒性のある(継続率の高い)商品を販売している企業、アップルやアマゾンのように世界中の情報流通を牛耳っている企業もあります。
情報感度や金融リテラシーの高い人は銀行の営業マンが言うことに従わずに過去最高値を更新し続けている米国株に投資し続けてきましたが、今振り返るとこの戦略が正しかったと気づくわけです。
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パウエル五郎

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