2019年一年間の投資活動を振り返る

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ちょうど去年の今頃アマゾン株を全株売却して、それまでのグロース戦略から高配当株に切り替えたのでその成果を振り返ろうと思います。

振り返るとアメリカ株に手をつけたのは、awsの評価の低さに気づき、当初700ドル前後でいったりきたりしていたAMZNを購入し始めたのが2015年末ごろで、それから3年にわたって買い増し続けてきましたが、一昨年ごろから流石に上昇ピッチが早すぎると判断して、昨年(2018年9月から10月にかけて)全売却しました。

平均購入単価は1000ドル前半だったかと思いますが、売却から1年が経過しても株価が売却平均単価の2005ドルを上回っていないことを考えると、我ながら良いトレードだったと思います。

思えば投資のメリットは、生活水準を落とさずに労働などの時間的制約から解放されることと時間的制約を変えずに生活水準を向上できることの2点に尽き...

しかし、今回の取引ではたまたま高値では売れて良かったものの、このタイミングで利確するような取引は今後再現させることが期待できず、リセッション入りしたらハイベータ銘柄であるAMZNは真っ先に売られる可能性があると判断したため、昨年秋頃から高配当ディフェンシブ銘柄への投資にスイッチしました。

当時の急激なスタイルの変化はなかなか勇気のいるものでしたが、一年経過した今、高配当株への投資で成果をあげられているのか、今一度振り返ってみたいと思います。

足元のパフォーマンスの振り返り

まず、現時点のポートフォリオの断面をみていきます(このブログ初公開)

次に比較対象としてSP500にパフォーマンスに対する1週間、1ヶ月、1年前の収益率を見ていきます。

上の表は最上段がS&P500の指数の収益率、2段目が私の総資産(ポートフォリオ+現金)の収益率を表しています。

これを見るとSPが年間で9.26%上昇しているのに対して私の総資産は7.59%下落、対指数では17%近くアンダーパフォームとなっています。

なぜこのような下落となってしまったのでしょうか。

この違いが発生した理由を調べるため、資産の変化を個別要因に分解していきます。

まず総資産の収益率を現物に投資している要因とキャッシュを保有している要因に分解します。

現物に投資している要因は個別銘柄の評価損益による要因(個別銘柄要因)と株式を売買したことによる要因(取引要因)に分解できます。

個別銘柄要因には銘柄を選んだことによる銘柄選定要因とその銘柄に対する投資比率が指数と違っていることによる保有比率要因に分けています。

銘柄選定要因は年間で0.56%のプラス寄与である一方、指数の構成比率と私の保有比率の違いによって6%以上のマイナスとなってしまいました。

銘柄選定要因は仮に全て等ウェイトで保有していた時に対指数でどのくらいパフォーマンスに貢献するのかを見ているのですが、個別銘柄ごとに見ていくと以下のようになります。

上の表を見るとPGやMCDがそれぞれ3.6%、2.5%の銘柄選定効果があった一方で、ここ最近下落が際立っていたBTIを保有していたことによって2%近いマイナス要因、またマイクロソフトを非保有であったことによって株価上昇の恩恵を得られず1%近いマイナス要因となった結果、全銘柄要因の総和としてはマイナス5.7%となっています。

そもそも昨年末に高配当銘柄に投資する方針としたことによって相場の上昇時には多少劣後する覚悟を持っていたので、過去のボラティリティを考慮するとここで下落幅はほぼ想定の範囲内ですが、コカコーラを途中で売却してしまったことによる非保有が痛いです。

上の表は現物ポートフォリオのスタイルを見るためにファマフレンチの3ファクターモデルで個別銘柄の各リスクファクター に対する感応度を見たものです。

分析前、私のポートフォリオの市場感応度はゼロ付近かと思っていましたが、XOMやAAPL、GSを保有していることでベータ値が引き上げられていることがわかります。

サイズについては過半数の銘柄大型属性を示しているものの、意外にもXOMやTが小型指標(SMB)との相関が高いため、全体としてはニュートラルとなっています。

PBRはAAPLやBTIに引きずられた形でマーケットに対してやや割安属性を示しています。

このように私のポートフォリオは高配当ディフェンシブで低ベータ、大型株、割高だと思っていましたが、全体としてややハイベータ、中立サイズ、割安となっておりました。

上のグラフのように今回使用したリスクファクターの3指標の月次推移です。

この数年間はハイベータ、大型、割安銘柄優位な相場でしたが、今後、リセッション入りしてマーケットがリスクオフとなった時、AAPLやGSなど感応度の高い銘柄に引きずられる可能性があるため、ポートフォリオウェイトの小さいPGやKOなどを保有する必要があると感じました。

以上が現物に対する振り返りですが、次はキャッシュ要因を見てみます。

キャッシュ比率を厚めにするほど上昇するマーケットに対して総資産の価値は相対的に目減りします。

この一年間では9%上昇したマーケットに対して2割程度の現物しか投資しなかったため、現金保有要因は8%のアンダーパフォームとなりました。

一方で高配当銘柄からの配当入金があったため現金が増えて全体の資産を1.6%増加させました。

高配当銘柄なのに1.6%しか寄与しなかったのは、毎月の株式購入額を一定以下に抑えていたため、前半の高配当銘柄の保有数量が少なく、年間でならすと非常に少ない比率となっているからです。

現時点の保有ポートフォリオの断面で株数と時価から計算すると3%となっています。
(今回は簡単のため現物投資のみに限定しましたが、SPYDなどの投資信託などを含めると3.5%ほどになります。)

キャッシュ要因を総合すると、現金保有割合の多さに起因して指数に対して約6%下回る格好となりました。

総括

この一年間はS&P500が約9%上昇しましたが、私のポートフォリオではマイナス8%となりました。

これからきたるべきリセッションにむけて、現金ポジションを多くしていたことも対指数で足を引っ張っていました。

それ以外の内訳で特に影響したのは、所得税などの税金と証券会社に支払う手数料です。

私は毎夜2時くらいまでは狙っている銘柄が安くならないかみていますが、取引に伴う暗示的要因でのプラス寄与は10%弱と手数料のマイナスの影響と相殺できていない結果となっており、頻繁に売買したり、タイミングを見計らう売買が功を奏していないことが分かります。

証券会社は楽天証券を使っているため、先月からアメリカ株の売買手数料が金額によらず0.5%と安くなったことで今後は今までよりも若干コスト削減が図れそうですが、頻繁に往復売買をしないよう気をつけるべきという教訓が得られました。

また個別銘柄要因では高配当ディフェンシブ銘柄の中でも比較的逆張り戦略的に押し目を狙っていましたが、その結果、パフォーマンスの良い銘柄の買い付けがおざなりになってしまい、銘柄選定ではうまいっているものの、保有株数が原因で6%の下振れ要因となってしまいました。

このようにポートフォリオのパフォーマンスを要因分解すると、自分で割安割高判断をせずに淡々と等ウェイトで(タイミングを図るのではなく)定期的に買い付けを行った方が効率的であるという、至極当然の教訓だけど現実には実現できていないため、基本に立ち返る重要性を改めて実感します。

これから長い投資家人生を歩む際、定期的にこうした分析を行うことで、暗黙にハマっている思考の罠を事前に気づくことができるかもしれません。

今回の分析は年間単位で行いましたが、手元のスプレッドシートでgoogle financeなどのapiを使って自動更新されるように設定されているので、月次でも同様に振り返って行くことができればと思います。

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パウエル五郎

名前:パウエル五郎 年齢:30代 経歴:金融機関で国内外の株式のアナリストやファンドマネージャーなど一貫して株式のトレーディングに携わる。 2016年にアマゾンを購入してからひたすら買い増し、現在はVTなど世界分散投資も実践。

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