アメリカと中国の貿易戦争は次のフェーズに発展
現状は、アメリカの一人勝ちの様相を呈している貿易戦争ですが、中国からの反撃によって次のフェーズに入った模様です。
アメリカの民間企業でサーバーに使われるLSIなどのチップに盗聴や不正アクセスなどのハッキングが行われている疑いが浮上しているのです。
貿易戦争でやられっぱなしの中国も反撃に出たという構図ですね。
おそらく水面下で合法的、非合法的交渉や非公式な攻撃が行われているものと思われます。
以下に私が認識していることを簡単な概要として記載します。
概要
・アマゾン、アップルはサーバーをエレメンタルという企業から調達している。
・エレメンタルのサーバーに使われているマザーボードはスーパーマイクロから調達している。
・このマザーボードが中国で製造される過程で小さなチップ(IC)が埋め込まれていることが発覚。
・このチップは通信傍受の機能があることが判明。
・スーパーマイクロのマザーボードはCIAや人工衛星で使われる通信サーバー、日本でも銀行のデータ管理システムなどに提供され、各国の中枢機能に関わっている。
・アップルやアマゾンはこのBloombergによる報道を全否定。
awsは国内外の自治体の他、民間企業の多くに使われていますし、もしCIAが使っている通信システムが傍受されているならその被害総額は甚大ですよね。
個人の所感としては不運にもブレグジットのハードランディングとタイミングが重なったこともあり、当面アップルやアマゾンの株価は下落しそうです。
というのも、中国からだけでなく、脱税疑惑や市場の寡占化を進めているアマゾンをよく思っていない国々からの攻撃も受ける可能性があるからです。
アマゾンを嫌っているのは中国やヨーロッパだけでなく、自国アメリカのトランプ大統領も含まれています。
トランプ大統領の口撃のほか、海外からもアマゾンへの風当たりは厳しくなるものと思います。
先日、テスラもイーロンマスクCEOの失言によって株価が大きく下落しましたが、米国テック系企業にとっては苦しい状況が続きますが、今しばらくの辛抱だと思います。
しかしながら、アマゾンもテスラもアップルも次世代のインフラとしての役割を担うと言っても過言ではないほど重要なテックリード企業です。
こうした企業が不祥事や第三者からの攻撃によって埋没してしまうことは人類の文化資本やその進化における大きな損失となります。
真相は究明されたとしても、さまざまな国家間、企業間の取引によって明かされずにうやむやになる可能性は十分あるのかなと思います。
アマゾンはこの1週間で100ドル以上の下落となり、為替も1円近く円高に振れています。
これまで中国とアメリカの貿易戦争はアメリカ優位と考えられていましたが、サプライチェーンを握っている中国に痛いところを掴まれたトランプ大統領が、次の一手をどう打つのかにアップル株やアマゾン株の動向が左右されそうです。
(10/6追記)記事更新後アマゾン株は更に下落
この記事を書いた後、アマゾン株は前日の1909ドルから更に下落して一時1862ドルをつける場面もありました。
テスラはさらに失言を重ねたこともあって7%以上の大幅下落で当面はテック企業は軟調な展開になりそうです。
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パウエル五郎

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