【今更聞けない】アマゾンの成長エンジン、awsとは?

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awsの凄さ~アマゾンに投資すべき理由その1

いきなりその1と書きましたが、その2があるかどうかわかりません(笑)

今回はawsについて書こうと思います。

最近、アマゾンについて触れている記事を多く目にするようになりました。

管理人も先日アマゾンの財務分析を行いました。

今日はアマゾンについて調べてみたいと思います。 アマゾンといえば、スーパー大手のホールフーズマーケット(WFM)買収を発表し、10億ドルで...

このように財務や売上、キャッシュフローなど、様々な切り口で分析している記事はありますが、どの内容でもaws単独で利益を出して他のセグメントの成長を促していると書かれています。

しかし、アマゾンの成長の源泉であるawsがなぜこれほどまで使われているのか、実際のユーザー視点で書かれた記事はほとんど目にしません。

特に金融セクターのアナリストや分析屋は、なぜawsが(テクノロジーという観点で)良いのかわからない方も多くいらっしゃいます。

アマゾンの事業セグメント

アマゾンはオンラインストア、プライム会員によるサブスクリプションセグメント、クラウドサービスセグメントの3つに分けられます。

最初の二つは小売と継続課金で、三つ目のセグメントがawsなどのクラウドサーバービジネスです。

私はもともと金融出身なのでサーバーサイドの技術に詳しくはなかったのですが、最近はIT界隈の知人が多くなり、awsの利点を知るほどアマゾンの良さに気づき始めました。

IT界隈のエンジニアはawsのツールとしての良さを実感していますが、金融やビジネスという側面では評価できませんし、金融セクターのアナリストはawsの使い勝手などユーザーとしての視点は持ち合わせていません。

awsとは

先に述べたようにIT界隈では、awsの評価は非常に高く、他のサービスよりも機能が柔軟で使い勝手に優れ、さらに割安ということから大変重宝されています。

aws(Amazon Web Service)はインターネットサーバー(と付随した一連の機能)であり、ネット上のウェブページやアプリのコンテンツを表示させたり、メールやプッシュを送信したり、顧客情報など保存されているデータの取得、編集機能を持っているコンピュータです。

世の中の大半はインターネット上で解決できる時代になりましたが、こうしたインターネットサービスの裏で動いているのがawsをはじめとしたサーバーです。

awsがない時代のサーバーというと、専用の大きなコンピュータを買ってきて、その中にソフトウェアをインストールしたり、セキュリティソフトを組み込んだりと、様々な設定をしなければなりませんでした。

最近のウェブサービスは一昔前のような静的なHTMLだけではなく、状況によって表示するコンテンツを動的に変えたり、人によって異なるコンテンツを表示させたりと多岐に渡ります。

それまでサーバーの管理者は個別に設定する必要がありましたが、awsができてからは専任の担当者を置かなくても良くなる程、設定が簡単になりました。

例えばウェブページへのアクセスが増えるとサーバーの管理者はアクセス数に応じて処理速度の速い新たなサーバーを設置したり、個別に設定をしなければなりませんでしたが、awsではこうした個別の設定を行わずに自動的にサーバーの負荷分散を図ることができるようになりました(ELB)。

awsの凄さ

インターネットサービスは検索サイト、メディアやネットショップ、スマホに入っているゲームアプリなど用途が多様化しており、それらのサービスごとにサーバーが存在しています。

awsSNSFacebook、動画配信サービスのNetflixなどの主要サービスで活用されています。

個人でウェブページを立ち上げる小規模なサービスから大手のサービスまでawsを使っているので、今の比ではないくらい今後更にパイは広がっていくと予想されています。

またこうした汎用的なサービス以外にも我々の目に見えない企業の独自処理にもawsが使われています。

例えばDeNAやメルカリ、サイバーエージェントなどのインターネット企業はもちろん、全日空、NTT東日本、東急ハンズ、フジテレビなどの大手企業のほかMUFGグループなど、システム開発に保守的な金融機関でさえもawsが活用され始めており、今後ますます普及が見込まれています。

awsのこうした技術はawazon.com(ECショッピング)で培ってきたもので、膨大なアクセスでもサービスを落とすことなく迅速に対応できるシステム開発のノウハウを結集したものです。

こうした内製システムを外販して売上を立てているため、利益率が高いのです。

awsの課金スタイル~行きは良い良い帰りは怖い〜

awsの機能は一言でまとめるには膨大すぎるほど多く、たとえば動的な処理を行うEC2と呼ばれるコンピュータ、RDSDynamoDBと呼ばれるデータベース、S3と呼ばれる一時保存場所(ストレージ)、VPCと呼ばれる仮想化空間など、40種類以上のクラウドサービスを提供しています。

重要なのはその種類の豊富さもさることながら、提供している機能の全てが従量課金制でサービスが使われるほどお金がかかる仕組みになっています。

逆に言えば、サービスの運営当初はほとんどお金がかかりませんので、導入が容易で気軽に始められるという利点もあります。

利用はいつでも開始でき、停止もいつでも可能

そのため、awsを使っているウェブサービス側は最初人気がなかったとしてもawsに支払う金額は少なく済みます。

そうして敷居を低くして使ってもらってから、徐々に人気になってアクセスが増えてくると支払う金額は多くなり、このように一度人気になったサービスは以降下がることは滅多にありませんのでサービスの継続性の観点からも解約もされにくいのです。

金額がかかる頃にはサービス自体が大きく稼いでいるので、金額の問題でも解約される心配もありません。

基本的にインターネットのサービスはアクセス数が増えると生存バイアスが働きますので、awsはいわば収益の下方硬直的なストック型の継続課金ビジネスとも言えるのです。

IT業界全体がアマゾンに従属していく世界

私はIT界隈のこうした現状を見て業界全体がaws、ひいてはアマゾンのいない世界が考えられなくなっていくと思います。

お金がかかるからといってサービスはすぐには停止できないので払い続けざるを得ないというのは先に述べましたが、エンジニア界隈ではawsを使いこなるかどうかでこれからのキャリアが大きく左右されるとまで言われるほど一強状態になりつつあります。

マイクロソフトやさくらインターネット、GMOなどクラウドサーバーに参入した企業もなんとかその牙城を崩そうと躍起になっていますが、現実的には手も足もでない状態です。

そのため、特にサーバーサイドのエンジニアは多くの時間を使ってawsの使い方を習得しようとするのです。

そうすると、こうした技術習得は一朝一夕でできるものではなく、またサービスによってサーバーを変更するのは多大なリソースと時間を必要とするため、簡単にaws以外に乗り換えることはなかなかしにくいという状況を作り出していきます。

つまり、一度awsを使ってしまえば別のサーバーへの移行コストが非常に高いことから現状維持バイアスが働く上、負荷分散などサービス性を左右する問題もつきまとうのでエンジニアだけで移行判断ができないので、いわば退会手続きのない課金モデルとも言えます。

awsの収益貢献

さて、awsは売上全体に占める割合こそ全体の2割程度ですが、その営業利益率は20%と非常に高く、この利益を他のセグメントに投資することによって売上やキャッシュフローを拡大させています。

言ってみれば、awsがその他のセグメントを加速させ、マーケットのパイを増やす役割、つまりエンジンになっているのです。

アマゾンの高すぎるマーケットシェアは違法なのか

アマゾンはアメリカのeコマースの49%、日本では23割程度のシェアがあります。

この高すぎる市場占有率が独占禁止法に抵触するのでしょうか。

最近こうした議論をよく目にするようになりました。

業績については一点の曇りもないピカピカの企業で規制や制限に足を引っ張られないか心配ですが、一方で独占禁止法自体が古く、そうした法律に縛られるべきではないという裁判所の判決も出ています。

そもそも独占禁止法は市場を独占している企業がその優越的地位を濫用することによって、消費者が不利益を被らないようにするための法律です。

しかし、実際にはアマゾンがホールフーズを買収してからホールフーズの高価格帯の商品は値下げをして手にしやい価格になりました。

またハーバードビジネススクールのアルベルト・カバロ准教授はアマゾンの普及によって物価の地域格差がなくなり、価格の収斂が早まるというアマゾン・エフェクトがあると主張しています。

こうした事実はアマゾンの普及によって消費者の利便性が向上し、本来は喜ばしいことであり、先の判決はこうした事実を重視した結果とも言えます。

古い法律などの過去のしがらみと消費者保護の観点でアマゾンが今後どう戦い抜くのか注視していきたいところですが、大きな事件がなければ当面はアマゾンの盤石の体制は変わらなさそうです。

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パウエル五郎

名前:パウエル五郎 年齢:30代 経歴:サラリーマン時代は赤い銀行で国内外の株式のアナリストやファンドマネージャーなど一貫して株式のトレーディングに携わる。 現在は日本株の個人投資家として独立。2016年にアマゾンを購入してからひたすら買い増し、現在はVTなど世界分散投資も実践。