Contents
仕組み化で金融ショックを乗り切る
株や為替の世界で生きていると金融ショックを経験することは幾度となくあります。
あまり経験したくはないですけどね(笑)
例えばリーマンショック級の大きなショックがあった場合、ほとんどの人は損失を出します。
実はこうしたケースで個人投資家が利益を出す方法が一つだけあるのです。
ここで注目すべきなのは、相場というのは損している人がいるなら得している人もいるという事実です。
全員が損するということはないのです。
金融ショックではどうしても損した人などの負の側面が取り上げられがちですが、
儲かっている人の話はなかなか出てきません。
もちろん、ポンドが下がる、円が上がるということにかけることも十分可能ですが、賭けるということ自体がギャンブルです。
私は投資はギャンブルではないという信念を持っています。
このサイトで私は利益の仕組み化ということをテーマに掲げていますので、
こうしたショック時にどのように仕組み化してあげるべきかについて書いていこうと思います。
個人投資家が金融ショックに利益を得る唯一の方法
タイトルに金融ショックと書きましたが、実は相場が大きく動く時というのはショック時だけではありません。
毎月第一金曜日に発表される雇用統計の時にも為替、株価が大きく動きます。
大抵は一瞬だけ大きく上下動して元に戻りますが、たまに一方向的に大きく動いていくこともあります。
今回はこうした相場が大きく動いた時に個人投資家としてどのように振る舞えば利益が出せるかに重きを置いて説明していきたいと思います。
まず、どう対処すべきかを考えるためには、なぜこうしたショックが起こった時に株価が大きく動くのかというメカニズムを解明したいと思います。
その上でこうした動きを味方にできるのかについて検討します。
ショックが起きた時に株価が大きく動く理由
相場師として、株式市場で何十年もキャリアを持っている人に以前話を聞いたことがあるのですが、最近の相場はよりボラタイルになったと言っていました。
何かのニュースやイベントをトリガーにしてから動き始めてからの振れ幅が以前より大きくなったということを聞きました。
特に日本市場では最近の傾向として一度動くとその方向に売買が膨らむ傾向が強くなっている印象を持ちます。
これはアルゴリズムトレードが関係しています。
アルゴリズムトレードには株価が一定以上動いたら買いを入れるという売買アルゴリムが働いています。
このアルゴリズムには様々な意図があります。
例えば、ある時刻から一定以上株価が上昇してから更に上昇することを見込んで買いを入れるという注文があります。
同様に一定以上株価が下落した場合に更に下落することを見越して売りを入れるという注文があります。
これらの注文を逆指値注文と呼びますが、通常の指値注文とは大分異なります。
逆指値注文についてはこちらをご覧ください。
値動きの仕組みを味方につける
ボラタイルな相場で稼ぐ方法
上記のページで少し触れていますが、逆指値を使えばこうしたボラタイルな相場で利益を上げやすくなります。
例えば、相場下落時によくありがちな以下のような値動きを想定します。
ちなみにこうした値動きの事を三角保ち合いと呼ぶのですが、逆に以下のグラフのように上抜ける場合もあります。
両方とも徐々に何度か振動をするのですが、振幅の幅が徐々に小さくなっていることです。
目印は下抜ける場合は下値抵抗線が水平で上値抵抗線がやや右肩下がりになっていることで、
上抜ける場合は上値抵抗線が水平で下値抵抗線がやや右肩上がりになっていることです。
こうした相場つきでは、上値抵抗線を超えたあたりで買えばそのあとの上昇による利益を上げられますし、
下値抵抗線より下で売ればその後の下落による利益を上げられます。
日本株は海外市場よりも変動幅が大きいと言われていますので、こうした順張り戦略は非常に有効です。
しかし、安いところで売りを入れたくても実際に通常の指値取引で売り注文した場合、現状の値段で約定してしまいます。
こうした時に使うのが逆指値取引です。
例えば、相場が抵抗線を突き抜けた時に逆指値を使う例が以下のグラフです。
これは何をやっているかというと、図中の「通常の波」と書かれている期間の後、それまでの価格レンジを超えて株価が大きく上昇する特性を利用して、レンジより高いところでトリガー値段を設定し、その近辺で約定させています(下の赤丸)。
こうすることで上値抵抗線であるレンジの上限を上抜けて上昇トレンドに乗る時に購入(仕込み)することができるのです。
また、この仕込みと同意に少し高いところを売値とする返済注文を入れて自動で利益確定するようにすることもできるのです。
この返済注文を入れる時には必ず証券会社の売買手数料を超えないようにすることに注意です。
整理すると、
①逆指値を使ってトリガー価格をレンジを超えたところに設定しておきます。
②最初の買いの約定を入れるためのターゲット価格となる指値は成行もしくはトリガー価格に近いところに設定します。
※もしこの時に成行ではなく指値で注文を入れる場合は振動しながら上昇すると予想した場合には少しトリガー価格より安いところでもいいかもしれませんが、その後確実に上昇すると確信が持てる場合には少し高めのところで設定します。
要はその後も確実に上昇して利益を上げられると確信できる場合には、多少の取引コスト(仕入れ値)を高めてでも取引を確実にする必要があるということです。
③同時に利益確定注文も同時に設定します。
まだ約定するための仕込み注文を出す前なのに利益確定をどうやってするのか疑問に思われる方もいるかもしれません。
これを実現する方法が返済予約注文と呼ばれるものです。
返済予約注文とは、約定前でもその注文が約定されたら自動的に利益確定を出せる注文です。
株式取引における利益の仕組み化という観点では必須の技術と言えます。
ちなみにこの返済予約注文で確実に出すコツは小さく刻んでおくことです。
特に株価がそれまでのレンジを突き抜けた時ほど、株価は振動するので小さく刻んでおくほど利益が実現しやすくなるからです。
ある程度利益が小さくてもコツコツ積み重ねていくタイプの投資家には必要不可欠な注文スタイルと言えます。
ちなみに利益確定と同時に損失限定の用途にも使うことができますが、これについてはまた別のページで説明します。
松井証券では、先ほどの逆指値注文と同じ画面でこの返済予約注文を入れることができます。
今まで買いの逆指値注文について主に説明してきましたが、
これは下落相場でも同じように逆指値注文を出すこともできます。
売りの逆指値注文の場合、空売りから入ってより安いところでの買い戻すということも可能になります。
手数料が安く、小刻みに変動することが多い先物やFXなどでも普通に重用しますので、ご参考にされてみてはいかがでしょうか。
まとめ
株式投資初心者の場合、この逆指値という概念を知らない人が多い為、キャッシュポイントが限定されてしまい、本来逆指値を使えば稼げるところで稼げないことがあります。
最初は私もそうでした。
本来利益を出せたところで別の作業をしていた為に逃してしまったということがよくありました。
また逆指値注文と返済予約注文を同時に入れることで利益を確実に実現することができるようになります。
買いから入る投資手法しか持ち合わせていない人と空売りもできるし、買いもできるという人の方が選択肢が広がるという意味において収益機会は2倍以上になるからです。
これは中々個人投資家が行うレベルのことではないと言われますが、
経験がないからやらないという判断は投資の世界ではハンデになることがあります。
こうしたちょっとしたことを知っているか知らないかで利益を出せるかどうかが決まります。
多くの方は日中、別の仕事をしている為、板にぴったり張り付いて売買することができませんが、こうした逆指値と返済予約注文を有効に活用すれば確実に利益確定しやすくなると思います。
この記事を読んだ人は以下も読んでいます...

パウエル五郎

最新記事 by パウエル五郎 (全て見る)
- 【ポストコロナの世界】様々な民主化の流れが加速する - 2020年4月25日
- コロナを受け保有銘柄の入れ替えを行う - 2020年4月23日
- コロナを受けてポートフォリオ戦略を変更する! - 2020年4月22日