【失敗談】シャープに捧げた私の6年間

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これは本サイトに寄せられた投資の失敗談です。個人投資家の失敗談として皆様のお役に立てればと思い、内容を損ねないように加筆修正して転載しております。

シャープの大暴落

2007年には2000円を超える株価だったシャープですが、2008年に大暴落しました。

その2008年の年末あたりに590円でリバウンド狙いの買いを入れました。
怖かったのでほんの少しだけでしたが、その後の半年間で大幅上昇。
2倍とまでは行きませんでしたが1100円で売って大満足でした。
「何だかよくわからないが、そろそろ来るんじゃないか」という予感だけが根拠でしたので、ほんの少しだけの売買に留まったのが悔やまれます。
しかし、これが不幸の始まりでした。

終わりの始まり

味をしめた私は、その後毎日シャープの株価をチェックする日々が続きました。
もちろんリバウンド狙いの買いを入れるためです。
そのような日々の中、何回か買いを入れようかと思ったことがありましたが、「まだまだ悪材料が出てくるか」とじっと我慢しました。
我ながらよく我慢したと思います。
再び1000円を割り込んだ2010年後半、細かい動きはあるものの800円を決して割り込まない粘り、「この辺りが底か」と、買いを入れそうになるのを我慢、翌年には800円を割り込んで600円台になりました。
この2010年から5年間シャープに賭けた人生が始まります。

600円台…このあたりの株価になると、590円で買って1100円で売った喜びがよみがえってきます。
心の中に「500円台なら良いのではないか」という考えがふつふつと湧いてきます。
過去に600円を割り込んでから大幅に反発したので、他の投資家も似たようなことを考えているのではないかと思ったのです。
しかし、往々にしてこのような考えは危ないものです。

2012年の2月ごろ、株価は500円台になりました。
「よしこれは買いだ」と思いつつ、もう今にも買いを入れそうな勢いで株価を追う日々です。
日経平均もまずまずの上昇基調、何銘柄か保有していた株をすべて売り、資金をシャープに投入する時がきました。
手始めに家の固定電話の電話機が故障したのでシャープの電話機を買い!心の中はシャープ買い一色です。
「550円を切ったら買おうか」「530円くらいならあるか?」いろいろ考えて、結局まだ我慢すべきと結論付けました。
買ったのは株ではなく電話機に留まりました。

その2012年3月期決算は過去最悪の決算でした。
このような決算の後「悪材料出つくし」で株価が上昇に転じることもありますが、この決算は悪すぎました。
悪いだろうと見る予想は前からあって、どんどんと下がった株価ですが2,900億円の赤字決算です。
主力のテレビがふるわず、私が電話機を1台買った程度ではどうにもならない決算でした。
2月ごろには本当に買いを入れそうでしたが、我慢しました。
しかし、ここまで悪いと「シャープは大丈夫か?」という疑念が強くなってきます。
株価もさることながら「買った電話機が大丈夫か?」という心配も出て来ました。

2012年秋ごろ、株価の方はどんどん下がって、ついに200円を割り込み100円台になりました。
もうやめておけば良かったのですが、シャープを買うために保有株を全部売って現金化、ずっと買いのタイミングを見計らってきたので、何となく「シャープはどうなってる?」と気になります。
150円を下回る場面もあり、「ドブに捨てるつもりで少しだけ買ってみるか」と言う気持ちと、「もうシャープはだめだろう」という気持ちが交錯する中、何度か買いそうになったのですがやめました。

決意

ところが2012年の年末から急騰です。
株価は300円を上回り、2013年の8月には400台まで上昇しました。
リストラや経営再建の話題が出るようになり、買おうと思った時点の2倍以上の値上がりです。
「買っておけば良かった!」「全額投入しておけば良かった!」「何故買わなかった」と後悔ばかりがつのります。
「あれを買わなければ男ではない!」「株は恐怖を買うものだ」とたっぷり反省をしつつも、「今から買うのは危ない」「また下がったときに買おう」と決意しました。

しかしその後、経営再建が二転三転する話が出続けます。
日本でシャープを分割して再建する方向、そして鴻海の出資で子会社化する方向などのニュースが飛び交いました。
株価の方はどんどん下げる中、とにかく先行きが不透明で買う気にならず、シャープの株価とニュースを追う日々です。

それから3年ほど経って2016年3月、株価は130円台になっていました。
現在は鴻海によるシャープ買収がほぼ決定しています。
決して順調な買収ではない様子ですが、方向性としてはもう大きな変更はないと思われます。
「買収が正式決定した後には130円ということはないだろう。400円あたりまでは上がるか、500円まであるかもしれない。」そんな思いがふつふつと湧いてきます。
しかし、しばらくシャープを買うつもりはなかったので、資金は他の銘柄に投入していました。
それも決して儲かっていたわけではなく、売れば1割ほど損になります。
どうしようか、かなり迷いました。
ここぞ!という時に買わなくて後悔をしたことを思い出しつつ、買わずに迷うばかりでした。

2016年3月30日、鴻海によるシャープ買収が正式決定しました。
株価は120円台に値下がりです。
出資額が当初予想より1000億円少ないことがマイナス要因というところでしょう。
鴻海も何だか胡散臭いというべきか、どうもシャープの経営再建のイメージが描けない感じがします。
しかし、一旦下がったものの、じりじりと上げていきます。
その時思いました、「やっぱり400円コースか?爆上げの前触れか?」
130円台、140円台と出来高は少ないものの短期間で上げていきます。
「これを買わなければ男ではない!」と思い切って買いを入れます。
持っていた銘柄を損切りしてシャープに投入、平均取得株価は145円ほどです。
まだまだ上がるだろうと150円台でも追加で買っています。
しかし5月の連休後に急激な下げ、怖くなって128円で損切りしました。
ところが月末には150円台までもどり、損切りを激しく後悔しました。

シャープとともに過ごした6年

この6年間、頭の中はシャープでいっぱいでした。
ニュースと株価を追いかけ、シャープに振り回され、シャープの電話機まで買い、最後にドタバタと損失です。
この6年間でようやく理解したのは、株価に底値はないことと、これ以上は下がらないだろうという期待は無意味だということでした。

安いところで買うことばかりにとらわれ、収益力の分析を怠った結果から得た教訓は大きかったです。

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パウエル五郎

名前:パウエル五郎 年齢:30代 経歴:サラリーマン時代は赤い銀行で国内外の株式のアナリストやファンドマネージャーなど一貫して株式のトレーディングに携わる。 現在は日本株の個人投資家として独立。2016年にアマゾンを購入してからひたすら買い増し、現在はVTなど世界分散投資も実践。

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